◆熊本の巨人戦から驚異的なV字回復

 しかし4月17日の巨人戦(熊本)で“逆転のカープ”を発動すると、そこから怒涛の8連勝をマーク。4月24日~26日にかけ球団タイ記録となる『3試合連続零封勝ち』を飾るなど、開幕直後の不調が嘘のようにハイペースで借金を返済していった。

 新元号となった5月には球団最多となる月間20勝を達成。借金8から翌月に貯金10に乗せたのは、セ・リーグでは初の記録である。絵に描いたようなV字回復に、リーグ4連覇も現実的なものとなっていった。

 ところが球団新記録となる月間20勝の勢いも、鬼門の前には無力化を余儀なくされた。交流戦の初戦でサヨナラ負けを喫すると、それ以降は好調を維持していた打撃陣が一斉に沈黙。荒稼ぎした貯金は一夜ごとに目減りし、6月18日にはついに首位の座から転落した。

 以降は一度も首位に返り咲くことができず、2020年は開幕直後の2位が最高だった。まだ5試合の消化(4月1日の試合前時点)とはいえ、現在のカープにとっては非常にポジティブなニュースとなった。