カープが2019年6月17日以来となる単独首位に躍り出た。2019年といえば大型連勝、大型連敗を繰り返したジェットコースターのようなシーズンだった。ここでは改めて単独首位に立っていた、令和元年のカープを振り返る。

2019年6月18日のロッテ戦。守護神から中継ぎに配置転換となった中﨑翔太が11回に炎上。悪夢の4失点を喫し、2位に転落した。

 丸佳浩のFA移籍はあったものの、シーズン前の順位予想で1位に挙げられることも多かった2019年のカープ。開幕戦で前年の二冠(最多勝、最高勝率)投手である大瀬良大地が巨人を完封したことで、その声もさらに大きなものとなっていた。

 ところが体調不良でK.ジョンソンが出遅れるなど、投手陣の綻びが響き開幕カードは1勝2敗と負け越し。続く中日戦の初戦にも敗れ、開幕4試合目とはいえ2015年6月24日以来、1378日ぶりの最下位を経験した。鬼門のナゴヤドームでは拙攻が続き、2カード連続での負け越しが決定。リーグ3連覇中の借金は最大で1だったが、再び借金2に逆戻りしてしまった。

 3カード目の阪神戦でも調子は上がらず、2010年以来9年ぶりとなる開幕から3カード連続となる負け越しをマーク。貧打、失策、投手陣の乱れの三重苦に見舞われたカープは、4カード目でさらに失速(ヤクルトに3連敗)し、借金は早くも6に膨れ上がっていた。

 過去に開幕4カード連続負け越しから優勝した球団はなく、わずか11戦目の時点(4月10日、対ヤクルト)でデータ上では優勝確率は0%となった。優勝候補筆頭のカープが、気づけば単独最下位が定位置となっていた。

 4月14日のDeNA戦で、開幕カードから他チームとの対戦が一巡。王者として開幕ダッシュを期待されながら結果はまさかの4勝11敗で、球団史上初となる開幕5カード連続負け越しとなってしまった。

 過去にカープがリーグ優勝を果たした中で最大の逆転優勝は7.5ゲーム差。わずか16試合目ながらデッドラインは目前にまで迫っていた。