◆今季の悔しさを糧に先発の柱へ

 翌週のヤクルト戦(マツダスタジアム)でも先発のチャンスを与えられたが3回3失点で降板。この試合も3回までに79球もの球数を要し5四球。前回登板の反省を活かすことができず、テンポの悪い投球で流れを引き寄せることができなかった。この試合の翌日に遠藤は登録抹消。防御率は6.75まで上がり、二軍での調整を余儀なくされた。

「一軍では結果を求めるあまり、プレッシャーを感じ、自分の良さを見失っていました。横山さん(竜士一軍投手コーチ)からも『自信にするべきものを見失ったらだめだ』と言われ、弱気になっていたことに気付かされました。二軍で自分の持ち味を取り戻して、もう一度、一軍で勝負したいと思っています」

 遠藤の魅力は、球速以上に速さと力強さを感じるキレのあるストレートだ。昨年までは奪えていた空振りやファールが、今年はなかなか奪えず、苦しい投球を強いられてきた。

「良かった時は、真っ直ぐでファールがとれて、フライアウトの数も多かったのですが、今年はその真っ直ぐの質が良くないと感じています。まずは本来の真っ直ぐを取り戻すこと。そこを追い求めて調整したいと思います」

 二軍で再度調整を重ねた遠藤は、5月1日の阪神戦(由宇)で、リリーフとして3週間ぶりにマウンドへ。1点を失うも球速は140キロ中盤まで戻り、2回を投げて無四球、4奪三振。以降も4日と5日のソフトバンク戦(タマスタ筑後)でリリーフとして登板し、無失点に抑える投球をみせている。

「まずは二軍で結果を残すこと。二軍で良いものを見つけて一軍に上がれたらと思います」

 遠回りすることになったプロ4年目の経験が、きっと近い未来、遠藤の心の支えになっているはずだ。