◆ベンチの注文に応えられる投球を意識

―かつてチームを支えたリリーフ陣の多くが二軍キャンプスタートでした。

「中﨑(翔太)とはキャンプ中にずっとキャッチボールをしていました。お互いの球筋を伝えたり、キャッチボールの中で変化球を投げ合ったりしながら、いろいろ話もしましたね」

―新たに投手キャプテンに就任した大瀬良大地投手も二軍スタートでした。高校時代から縁のある投手ですし、何か思うところもあったのではないでしょうか?

「そうですね。特別、キャプテンのことについて話したりはしなかったですけど、やはり気になる存在ではあります。大瀬良の場合は入団したときから津田(恒実)さんの背番号14をつけたり毎年、分岐点になるような経験をしています。必然的にキャプテンになるような、チームを背負っていくピッチャーになるような感じがあったので改めてすごい投手だなという思いがあります」

―いまチームの課題として挙げられているのがリリーフ陣の再構築です。改めて3連覇当時のように、しっかり守って先発投手に勝ちをつけたいという気持ちが強いのではないでしょうか?

「もちろん、その気持ちはあります。先発に勝ちをつけるというか、そこに携われるような仕事をするということを常に考えています。チームが勝ってたくさんのカープファンの方々に『勝って良かったね』と言いながら笑顔になってもらえれば最高ですね」

―若い投手も育ってきました。刺激や焦りといった気持ちはあるのでしょうか?

「みんな球も速いですし、勢いもあるので刺激になります。一緒にトレーニングはしますが、試合になると僕も負けたくないという気持ちがあるので、そこは良い意味で競っていきたいと思います」

―試合での投球で一番意識していることは何でしょうか?

「結果はもちろんなんですけど、どういう内容で抑えるか、というところに重点を置いています。結果的にアウトになればOKではなく、ここは三振なのか、それとも内野ゴロでダブルプレーを奪うのか。ベンチの注文に応えられる投球を意識しています」

―実際、想定通りにアウトは取れていますか?

「もちろん三振を狙ってヒットを打たれることもありますが、今のところ三振は毎試合で一つは取れているので、これを続けていって、もっと自分の球を操れるようになれば結果もついてくると思っています」

―勤続疲労を心配する声も挙がっていますが、そのあたりはどうでしょうか?

「どうなんでしょう?そこは自分では分からないですね。60歳、70歳まで野球をやるわけではないので、今できることをしっかりやって、かりに球が遅くなっても一軍で投げられるようなスタイルをしっかり築きたいと思います」

◆プロフィール
今村 猛 16
■いまむら・たける ■1991年4月17日生(30歳)■183cm/94kg   
■右投右打/投手 ■長崎県出身 ■清峰高-広島(2009年ドラフト1位)