◆『サンフレ劇場』でピッチ内外を盛り上げたリーグ制覇の立役者たち

 駒野が2007年限りで移籍した後、2008年から5番を受け継いだのはDF槙野智章。駒野と同じくユースから昇格し、3年目のシーズンだった。サンフレッチェはこの年、クラブ史上二度目のJ2での戦いに臨み、槙野は3バックの一角でレギュラーに定着して1年でのJ1復帰に貢献した。

 槙野は得点した後や、ホームゲームでの勝利後にファン・サポーターが陣取るスタンドの前で見せる『サンフレ劇場』でのパフォーマンスでも注目されたが、2012年から5番をつけたDF千葉和彦も、同様の明るいキャラクターの持ち主。アルビレックス新潟から加入して『サンフレ劇場』でも盛り上げ役となるなど、すぐに人気者となった。

 もっとも、キャラクターやパフォーマンスだけで人気を集めたわけではない。この年に就任した森保一監督の下、3バックの中央で堅い守備だけでなく、正確な状況判断からのパスで攻撃の起点としても活躍。J1リーグ初制覇に大きく貢献すると、翌2013年のJ1連覇、2015年の3回目のJ1優勝とクラブワールドカップ3位など、クラブに多くの栄光をもたらした。

 2018年限りで千葉が移籍した後、2019年にDF吉野恭平、2020年にはMF松本大弥が背番号5をつけたが、松本が期限付き移籍中の2021年と2022年は空き番となっている。武者修行で経験を積み、再びサンフレッチェで5番をつけて躍動する姿に期待したい。