今シーズンはコーチとして、日本代表チームに初帯同

 先ほど、「私の小さい頃は女子プロ野球がなかった」とお話しましたが、日本では2010年に女子プロ野球リーグが発足し(現在は活動休止中)、私は2015〜2019年まで『埼玉アストライア』という球団でプレーしていました。プロ時代はアマチュアと比べて技術面やトレーニング量の変化もありましたが、なかでも一番大きかったのは意識の変化です。ファンのみなさんはお金を払って私たちの野球を見に来てくださるので、その期待に恥じないプレーをしようという気持ちにもなりますし、自信を持って、どんな状況でも安定したピッチングができるようにしようという思いが、より強くなりました。ファンのみなさんや、観客の目を意識するようになった結果、「楽しそうに投げているね」といった声をかけていただくことも増えました。女子プロ野球を経験したことで、私のなかでもすごく良い変化があったと感じています。

 今年の5月には、初めてコーチとして第3回 BFA 女子野球アジアカップ女子日本代表チームに帯同しました。アジアと日本の野球を比べると、やはり日本代表は細かいプレーや連携もできていますし、団結力もあります。ミスが少ないという部分でも、他の地域との力の差を見せることができたのではないかと思っています。9月に開幕する女子野球W杯にも引き続きコーチとして帯同する予定ですが、日本代表の投手たちは、四球を出さずにストライクを取りに行けるところが強みなので、守備の面でもしっかり守り勝てるような試合運びができたら良いなと思っています。

《プロフィール》
磯崎由加里 (いそざき・ゆかり)
1991年7月26日生、山口県出身。尚美学園大在籍中の2018年、日本代表に初選出される。落差の大きい『ナイアガラカーブ』を武器にW杯連覇に貢献。女子プロ野球チーム・埼玉アストライア、社会人野球チーム・エイジェックを経て2022年からはつかいちサンブレイズ所属。投手。

【はつかいちサンブレイズ】
2021年に発足した中国地方初の女子社会人硬式野球チーム。現在は18名の選手が所属し、ルビー・リーグに参戦している。初代総監督は元カープの石橋文雄。「地元との関わりを大切にする」というチーム方針を掲げ、女子野球の普及振興を通じた地域の活性化に向けて精力的に活動している。

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