プロ野球・広島東洋カープ、サッカーJ1・サンフレッチェ広島をはじめ、多数のスポーツチームが存在する広島県。広島アスリートマガジンの連載《HIROSHIMA SPORTS NAVI》では、スポーツ王国と呼ばれる広島で活躍するスポーツチームから、選手自らがナビゲーターとなりチームや競技の魅力を紹介する。

 今回は、廿日市市を本拠地とする女子野球チーム『はつかいちサンブレイズ』から、日本代表として3度の金メダル獲得に貢献した投手・磯崎由加里が登場。女子野球の魅力をたっぷり語ります!

女子プロ野球チームでも活躍した磯崎由加里。現在は、はつかいちサンブレイズでプレーしている。

日本代表経験者も複数所属!広島初の社会人女子野球チーム

 私たち『はつかいちサンブレイズ』は、2021年に発足した広島を本拠地とする女子野球チームです。現在は18名の選手が所属し、中四国のチームが参加する『ルビー・リーグ』で、優勝を目指して戦っています。今回は女子野球というスポーツについて、そして『はつかいちサンブレイズ』というチームについてお話させていただきます。

 父と兄の影響もあり、小さい頃から野球は身近なスポーツでした。父が持っていた野球チームの練習について行くうちに、自然と野球を始めました。父とのキャッチボールもすごく楽しくて、そこからどんどん夢中になっていったことを覚えています。女子野球を取り巻く環境は年々変化していますが、私が小さい頃は女子プロ野球もありませんでしたし、『野球を続けた先の道』というものが全くない時代でした。ただ、当時の私はそんなことはあまり考えておらず、とにかく野球が好きだという思いだけで続けてきました。

 家族の支えも大きかったですね。中学までは地元で男子の野球部と一緒にプレーしていたのですが、高校生になると、女子が入れるチームは数校しかありませんでした。そんな時も、母が私以上にいろいろと調べてくれて、「野球をするならこういうチームがあるよ」と教えてくれたりもしました。応援してくれる家族がいたからこそ、ここまで頑張ってこれたのだと思います。

 大学時代には日本代表に選出され、第4回IBAF女子W杯から3大会連続で出場しました。それまでも、外国人選手と日本人選手では体格の大きさもパワーも違うという話は聞いていましたが、いざマウンドで対峙すると、本当に圧倒されるというか……「少しでもミスをしたら打たれてしまうんだろうな」と感じたことを覚えています。正直、最初の頃はヒヤヒヤしながら投げていたところもありましたね(苦笑)。ただ、試合を重ねていくうちに、徐々に感覚がつかめていきました。2012年W杯で優勝した瞬間のことは、今も忘れられない経験になっています。