昨シーズン、育成から支配下登録をつかみとった辻大雅。8月2日に一軍初登板を果たすと、気迫あふれるピッチングで4試合連続無失点と華々しいデビューを飾る。16試合に救援登板し、失点はわずかに2。防御率1.13の好成績をマークしていた。育成時代に経験した悔しさを乗り越えた、若き左腕が支配下1年目に語っていたこととは。(『広島アスリートマガジン』2025年10月号掲載記事を再編集)

8月2日の中日戦(マツダ スタジアム)でプロ初登板を果たした辻大雅

◆「プロに入ってから、一番悔しかった」

─三軍で、野村祐輔コーチ兼アナリスト(当時)の指導のもと、球速も上がり制球力も増したと伺いました。具体的にどのようなトレーニングをされたのでしょうか。

 「野村コーチには、自分のなかでもあやふやになっていた左足の使い方をもう一度やり直したいと伝えました。野村コーチが現役の時に取り入れていたトレーニングをやらせてもらって、2週間指導をしていただきました。期間の縛りがあったので『かなりきついトレーニングになるよ』と言われていて、覚悟もしていたのですが、思った以上でした。ただ、1日目のトレーニング後にキャッチボールをした時、すごく変わったという手応えがあったんです」

─そんなにすぐに体感できる効果があったのですね。

 「杉原(望来)と一緒に野村コーチの指導を受けていたのですが、最初は杉原のほうが球が走っている感じがして、それもすごく悔しかったです。そこでも焦りはあったのですが、とにかくこの2週間で何かきっかけがつかめれば良いと思っていたので、必死で取り組みました。少しずつ感覚も良くなってきて、無事に2週間を終えたのは良かったのですが、その後に帯同した遠征(5月1日・中日戦、ナゴヤ球場)で8球連続四球を出してしまって……」