◆1人でも多くファンを増やすことが私たちの使命

1人でも多くファンを増やすことが私たちの使命と語った、藤澤ヘッドコーチ。

――改めて“アイスホッケー”というスポーツについてお伺いします。アイスホッケーは、攻守の切り替えが激しいスポーツだと思いますが、監督が思うアイスホッケーの魅力はなんでしょうか。

 「アイスホッケーをご覧になられたことがない方でも、スピード感は見ていて楽しいスポーツだと思います。スケート靴を履いた選手は時速60キロ近く出ますし、シュートはパック(球技におけるボールに相当するもの)が100キロで飛んでいきます。スピード感の中に激しいフィジカルコンタクトもあり、他のスポーツではあまりないような楽しさがあると思います」

――お話しを伺っていると、魅力あふれるスポーツですが、なかなかプレー環境が少ないようにも感じます。

「そうですね。私は北海道の釧路市出身で当時はたくさんの子どもたちがアイスホッケーに触れている街でした。ただ、最近はそういった雪国の地域ですら競技人口が減っていると聞いています。その上で私たちは、チームとして取り組んでいる振興や貢献活動はもちろん、1試合でも多く良い試合をすることで、1人でも多くファンを増やすことが使命だと感じています」

――栃木日光アイスバックスとしての振興活動ではジュニア世代の育成などを行われています。

 「やはり、どのスポーツも同じだと思いますが、小・中学生のカテゴリを充実させなければ競技として先細りしてしまいます。ですので、アカデミーなどを開催することで、競技人口ピラミッドの入り口の部分を大きくしていき、将来的にアイスホッケー界に活気が戻ると私は信じ取り組んでおります」

――今季はご自身の古巣で指揮を執る3シーズン目となります。現役時代のアイスバックスと、現在のチームを比べると変化などいかがですか。

 「私の現役時代は栃木日光アイスバックスの立ち上げの時期でした。さまざまな面で困難があった時代でしたが、今は違います。練習ができる環境も違いますし、何よりもみなさまに応援していただける環境があります。たくさんのファンの方に見守っていただき、スポンサーの企業のみなさまにも期待をいただいています。このような環境は何事にも代え難いことであり、私たちは“勝利”という形でお返しできるようシーズンに臨みたいと思っています」

――最後に、ヘッドコーチとして3シーズン目を迎えるにあたり、2023-2024シーズンの目標、意気込みをお聞かせください。

 「まずは良い形でシーズンに入り、悲願のリーグ制覇をファンのみなさまと共に味わいたいです。その上でもう一つ大きなタイトルとして全日本選手権があるので、今年は2冠を達成できるよう選手・コーチ陣が一丸となって挑みたいと思います。ファンのみなさまが観戦に来ていただいた日には、良いホッケー、面白い試合をお見せできるよう頑張ります。みなさまの声援はチームや選手にとってとても大きな原動力になりますので、今シーズンも応援のほどよろしくお願いします」