◆クラブのDNAとして受け継がれる『今西イズム』

 我々OBは、毎年末『今西さんを囲む会』という食事会が開催してきました。昨年の会での出来事で、忘れられないシーンがあります。会の最後、今西さんが目に涙を浮かべながら、「みんなに会えて本当にうれしい」とおっしゃったのです。

 ただ私たちからすれば、今西さんに会えたことが人生のすべてですし、教わった『For The Team』、『Fair Play』、『Never Give Up』の精神は財産であり、宝物であり、人生の指針となっています。

 こうした『今西イズム』がクラブのDNAとしてしっかりと受け継がれていることは、選手やクラブがJリーグアウォーズなどでフェアプレー賞を受賞することからも分かります。今西さんから直接指導を受けていない選手であっても、クラブに息づくDNAを受け継いでいることの証に他なりませんし、これからは、我々OBが『今西イズム』をしっかりと伝えていかなければならないと、いま、改めて強く感じています。

 今西さんがいなければ、広島にプロサッカークラブは生まれませんでした。サンフレッチェ広島というクラブにとって、そして広島のサッカー界、日本のサッカー界においても非常に大きな存在であったことは、間違いありません。

 私自身にとって、今西さんは人生の『土台』です。今の自分があるのは、間違いなく今西さんと出会ったおかげです。今西さんに出会っていなければサンフレッチェに加入することもありませんでしたし、今もこうしてサッカーに携わる仕事をしてはいなかったでしょう。

 どんな言葉を尽くしても足りませんが、今西さんに伝えたいのは『ありがとうございました』。この一言に尽きます。改めて、今西さんの偉大な功績と、周りを包み込む大きな存在に感謝し、ご冥福をお祈り申し上げたいと思います。

 今西さん、本当に、ありがとうございました。

【吉田安孝(よしだ・やすたか)】
1966年11月22日生、広島県出身
現役時代はサンフレッチェ広島のDFとしてプレー。引退後は、サッカーコメンテーターとして多方面で活躍中。