今年の日南キャンプにおいて注目度ナンバーワンはこの選手だろう。

 FAで巨人に移籍した丸佳浩の人的補償としてカープに入団した長野久義。
テレビカメラ約20台、報道陣約100人が集まった初日、練習前の声出しで「野球以外のことなら、何でも答えられると思います」とナインの笑いを誘うと、ランチ特打では早くも鈴木誠也と競演。
持ち味の巧みなバットコントロールで、右方向を意識したミート中心の打撃を披露した。
練習後には集まったファンのために即席サイン会も実施。実績十分のベテランが、チームに溶け込もうと初日から精力的に動き回った。

 首脳陣の配慮で別メニュー調整が続いていたが、第1クール最終日には全体練習に参加。カープ名物となっている12種類の打撃練習とともに、最終日恒例の“地獄のロングティー”もこなし、最後まで全力でバットを振り続けた。

 第2クールでは移籍後初めて、実戦形式の練習で打席に立ち、大瀬良大地、野村祐輔といった主力4投手と対戦。打撃コーチも称賛する鋭い打球を放ち、開幕に向けて順調な仕上がりをみせている。長年巨人の主軸を担ってきた長野の加入が、4連覇、そして悲願の日本一を目指すチームにどんな化学変化をもたらしていくのか? 楽しみでならない。

(広島アスリートマガジン2019年3月号から一部抜粋・続きは本誌にて掲載)


▼ 長野久義(ちょうのひさよし)
1984年12月6日生、佐賀県出身/180cm 85kg/右投右打/外野手/プロ10年目・34歳/筑陽学園高-日大-ホンダ-巨人(09年ドラフト1位)-広島(19年~)
【昨季成績】116試合 383打数111安打 打率.290 13本塁打 52打点 3盗塁