広島東洋カープにまつわるモノ・コト・場所をクローズアップして取り上げる『カープ再発見』企画。開幕を心待ちにするカープファンに、開幕がもっと待ち遠しくなる(!?)アレコレをお届けする。

 選手紹介、ファールボールへの注意、迷子のお知らせなど、球場で耳にする『場内アナウンス』。旧広島市民球場時代から球団職員が担当しているというアナウンスだが、長い歴史のなかでは驚くようなハプニングもあったという。ここでは、2005年当時の広島アスリートマガジンで掲載したアナウンス室の裏側エピソードを、当時の関係者の言葉で紹介する。

旧広島市民球場アナウンス室の様子

 選手紹介、イベント案内、ファールボールへの注意、迷子のお知らせなど、球場でよく耳にするのが『場内アナウンス』だ。カープの主催試合では球団職員がアナウンスを担当し、ホームだけでなく県外を含む地方球場にも帯同する。(2005年の取材当時)

「所属部署に関係なく、専用の研修を終えた職員がローテーションで担当します。ミスが許されないだけに、責任感と集中力が重要です」(広報スタッフ)

 旧広島市民球場の場合、場内アナウンスは一塁側ベンチ横にあるアナウンス室から行われていた。ここではスコアボードの入力も同時に行われ、室内では合計4〜5名のスタッフが試合に集中しながら業務を行ったという。

 場内アナウンスの仕事は、試合開始1時間30分〜2時間前の開門から始まる。アナウンス内容は練習時間案内、先発投手・スタメン・ベンチ入り選手紹介、試合中の打者紹介や選手交代、賞品紹介、イニング間での観客の呼出や各種PR、さらにファールボールへの注意など多岐に渡る。担当者はそれらのアナウンスを、球団で作成したマニュアルに基づいて遂行している。さまざまなケースを想定して作成されたこのマニュアルは、実に100ページ近くに及ぶという。

 複数の担当者がいても、なぜか場内アナウンスには各球場で独特の声色がある。

「私もそうでしたが、研修の時にはより早くマスターするために先輩方の真似から始めるので、各球場でカラーが受け継がれていくのではないでしょうか。声調よりも心がけているのは、お客様と両チームのみなさんにわかりやすく、はっきりと伝える事です。それとゲーム進行とイニング間のPRなどでは、メリハリを付けています」(アナウンスを担当する職員)

 長い球団の歴史のなかでは、さまざまなアクシデントも発生した。

 2000年7月1日の巨人戦では、1回表終了時からアナウンス室が停電。急遽、内野自由席上段のスコアボード操作室からアナウンスを行った。停電は7回裏頃には復旧したものの、アナウンス室は大騒ぎになっていたという。

 本拠地が広島総合球場だった球団創設初期は、場内アナウンスは女性ではなく男性が担当した事もあった。

 旧広島市民球場のオープン以降は女性職員が担当してきたが、2005年6月21日のヤクルト戦では、実に48年ぶりに男声の場内アナウンスが復活した。地元テレビ局が4日連続で中継を行ったため、初日に男性アナウンサーが場内アナウンスを担当したのだ。

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