◆チームにその右腕を捧げた“背番号18”

【佐々岡真司(1990-2007年)】
投げる以上はレベルも数字も、常にさらに上を目指していかないと。それができなくなったら、ユニフォームを脱ぐ時ですから
(広島アスリートマガジン 2003年11月号)

先発とリリーフにフル回転の活躍をみせた佐々岡真司投手。高い献身性を見せチームに貢献した。

 現役時代は先発としてもリリーフとしても輝かしい成績を残した佐々岡真司。プロ14年目のシーズンとなった2003年は、プロ野球史上6人目、カープでは江夏豊、大野豊に次ぐ通算100勝100セーブの金字塔を打ち立てたシーズンとなった。

 この年、先発ローテの一員として開幕するも、クローザーに定着していた新人の永川勝浩が、9月に疲労性の腰痛で戦線離脱。その代役として、クローザー経験のある佐々岡が指名された。そして迎えた9月13日と14日の横浜2連戦(旧市民球場)で連続セーブを挙げ、通算100セーブを達成した。

「(先発と抑えの)両方やってきただけに、失敗した時に勝ち星を消された先発投手の気持ちも、消してしまったリリーフ投手の気持ちも、両方分かります。だからその分、勝った時の喜びややりがいは大きいですね」

 このシーズンを迎えるまでの14年間、大きな故障もなくコンスタントに結果を残し、チームの勝利に貢献してきた。「1999年からトレーニングコーチの方についてもらっていて、それで随分、故障は少なくなりました。僕も元々ウエイトはあまり好きではなかったのですが、筋力だけ、あるいは上半身だけ、下半身だけじゃなくて全体的にバランスよく体を鍛えていくことで、成績も上がり、ケガにも強くなっていくと思います」。

 エースとして輝かしい実績を誇りながら、現状に満足することなく、カープ投手陣を牽引する存在として常に進化を求めた佐々岡。この2003年、先発投手としても8勝を挙げる活躍をみせる、まさに大車輪の活躍でチームを牽引し続けた。