◆寿人に早く「おかえりなさい」と言いたいですね

 12年連続で二桁得点という数字が示すように、大きなケガをしなかったのも彼が長く活躍できた要因の一つでしょう。野球でも何でもケガをしないというのは一流選手の条件です。

 もちろん小さなケガは抱えながらプレーしていたと思いますが、大きなケガで長期離脱というのがなかったというのは日々の努力の賜物だと思います。食事、睡眠なども含めて、ずっとサッカーのことを考えながらプレーしていた証でしょう。

 2016年シーズンを最後にサンフレッチェを離れることになりましたが、その後に所属した名古屋や千葉にも良い影響を与えたはずです。Jリーグ全体で考えてもすごく貢献した選手ですし、今後も何らかの形でサッカーに関わってほしいですね。

 本人も話していましたが、ぜひ指導者としてストライカーを育ててほしいと思います。キーパーには専属コーチがいますけど、Jリーグにも専属のストライカーの指導者、そこに特化した指導者も必要なんじゃないかと思います。

 先ほども話しましたけど技術だけではなく相手との駆け引きの部分、味方への要求。日本人であれだけ得点するというのは本当にすごいことなので、そういうところを若い選手たちに伝えてほしいですね。

 そういった意味では、サンフレッチェには本当にうってつけの指導者です。寿人も広島に対する強い思いがあるでしょうし、いずれ監督やコーチとして戻ってきてくれれば、また新たなドラマが生まれるでしょうね。

 引退会見で彼は「愛する広島の皆さまに、いつか『ただいま』と言える日を楽しみにしています」と言っていましたが、こちらも早く「おかえりなさい」と言いたいですよね。それがいつになるかは分かりませんが、サポーター共々、そのときを楽しみに待ちたいと思います。21年間、本当にお疲れさまでした。