V奪回を目指すカープの2021年春季キャンプが沖縄と宮崎で行われている。ここでは一軍キャンプで奮闘する期待のルーキーを一人ずつ紹介していく。

即戦力として期待がかかる森浦大輔投手。

 投手では同期の栗林良吏、大道温貴と共に一軍キャンプスタートとなったドラフト2位・森浦大輔。前年カープに入団した石原貴規と同じく天理大出身のサウスポーだ。

 大学時代は最速140キロ後半の直球と、キレの良い変化球を武器に活躍。巧みな投球術でプロ注目の投手へと成長した。

 「大学4年間は実戦経験をつめたことが一番の収穫でした。試合でたくさん投げさせてもらえたおかげで、大事な試合でも落ち着いて投げることができ、自分の力を出せるようになりました。そういう意味では心の成長が大きかったと思います」

 キャンプでシート打撃に初登板したのは第2クールの2月8日。同日に登板し直球で攻め込んだ大道とは対照的に、スローカーブなどの変化球を駆使するなど、森浦は投球術でアピール。打者4人に対して無安打に抑えるなど、上々のアピールとなった。

 プロ入団前の本誌インタビューでは、「一番アピールしたいのは120キロ台後半のチェンジアップです。そこにストレートとスライダー、カーブを織り交ぜていきたい」と引き出しの多さも窺わせただけに、今後増加していく実戦形式での登板に期待がかかる。

「気持ちを球に込めて投げるタイプですが、マウンドでは“心は熱く頭は冷静に”を意識して気持ちのメリハリをつけるようにしています」 

 大学時代は“ポーカーフェイス”として鳴らした左腕は、プロの世界でも虎視淡々と一軍の舞台で結果を残してくれるはずだ。