思わず心を奪われる!カープの話題をゆる~くまったりと展開してくれる“オギリマワールド”。関東出身ながら中学生からカープファン。独自のタッチで描かれるイラストを交えたコラムでおなじみのオギリマサホが、広島アスリートマガジンWEBで、新たなカープの魅力を切り取る。今回スポットを当てたのは、これからの時期、多くの人にとって悩みの種となる花粉症。野球選手を悩ます花粉症事情をオギリマ視点でゆる~く取り上げる!

◆スーパースターを苦しませた花粉の魔力

 3月。それは春の気配がそこかしこに感じられる時期である。プロ野球も開幕し、本来ならば心躍る季節のはずだ。そんな季節に忍び込む憂鬱の影があるとすれば、それは「花粉」ではないだろうか。

 多くの人が目のかゆみや鼻水などの症状に悩まされるスギ花粉による花粉症は、毎年2月~4月にピークを迎える。戦後の大規模なスギ植林や大気汚染、食生活の変化などが原因とされ、1960年代後半くらいから病気として認知されるようになった。

 重度の花粉症で知られる元西武の田淵幸一が「僕の花粉症の歴史は長いですよ。西武でまだ現役選手だった1982年、春のキャンプ中に発症しました。(中略)そのころは花粉症などという呼び方はしていませんでしたね。症状がひどくて眠れなかったこともありました」(「河北新報」2012年4月3日夕刊)と語るように、「花粉症」という名称が一般化して、多くの人の知るところとなったのは1980年代後半あたりのことと見られている。

 その後、患者数は年々増加し、現在では東京都内のスギ花粉症推定有病率は48.8%という調査もある(東京都福祉保健局・2017年)。野球選手とて例外ではない。花粉症選手の情報も年を追うごとに増え続け、松井秀喜(元巨人)や松坂大輔(西武)ら一流選手も花粉に悩む様子が報じられてきた。特に松坂は、ルーキー時代に花粉症対策として、球団側が西武第二球場近くに生えているスギを伐採したという逸話が残っているほどである。

 シーズンが始動する大事な時期に症状がひどくなる花粉症の選手は、それだけでも大変なのは想像に難くない。加えて、普通の人が服用するような治療薬を安易に使うことができないわけで、その苦労を考えると何とも気の毒である。