開幕から超過密日程の真っ只中にいるサンフレッチェ広島が、北海道コンサドーレ札幌を2対1で破り今季初勝利を飾ってみせた。
連戦の谷間だけに、前節の横浜F・マリノス戦からメンバーを大きく変更したサンフレッチェ。また今後を見越して森島司を右のボランチで起用するなど、ユーティリティー性を促すようなラインナップでリーグ第3節に臨んだ。以下は今節のスタメンについての城福浩監督のコメントだ。
「我々は中2日だったので、ある意味で腹を括れました。『全員で、チームで成長していくんだ』というところは、ここで見せないといけないし、ここで成長を促さないといけないと思っていたので、むしろ腹を括ってメンバーを変えました。ポジションについても人数がたくさんいるわけではないので、ギリギリのところでやりくりをしながらやった結果です」
ルヴァン杯グループステージで井林章が負傷したように、いつ、どのポジションの選手が欠けるかは分からない。今回、森島が馴染みの薄いボランチで起用されたように、『公式戦を通じて選手の成長を促す』城福監督のスタイルがより浮き彫りとなった形だ。
開始早々から試合は動いた。藤井智也の積極的なシュートからコーナーキックを獲得すると、森島のキックにフリーで合わせた柴﨑晃誠がヘディングシュート。開始わずか2分で先制点を奪うことに成功した。
直後には藤井の中央への折り返しを柏好文が技ありシュートで流し込み、待望の2得点目を奪取。攻撃に厚みを持たせる、という今季の方針がピッチ上でよく体現されたシーンだった。
その後は札幌に押し込まれる場面も見られ、仙台戦、横浜FM戦と同様に“試合の締め方”に課題が残ったのも事実だが、まずは厳しい日程の中で勝ち点3を取り切ったことを評価したい。また控えに甘んじていた柏や柴﨑に結果が出たのも大きい。3戦3分とフラストレーションが溜まっていたサンフレッチェが、チームの底上げを図った上で今季初勝利、そして勝ち点3を手にしてみせた。
