お笑い芸人として活躍中のザ・ギース尾関高文氏の本連載。これまでカープに在籍した歴代外国人選手を、時には厳しく、時には優しく、時にはユーモアを交えながら、尾関氏ならではの視点で紹介していきます。今回は、1996年〜1997年・2000年〜2002年の二度にわたりカープに在籍。“カープ史上最強助っ人”と名高いルイス選手について語っていただきます。

◆最強の助っ人ロペス

 カープ史上最高の助っ人と名高いルイス・ロペス。打率の高さもさることながら、勝負強さが思い出に残る素晴らしいバッターでした。とにかくパワフルでエネルギッシュ。常にガムを噛み、打席で忙しなくバットを振る落ち着きのなさは、体から溢れるエネルギーを抑え切れなかったからでしょう。

 そんなロペスは一度カープを退団したものの、再度カープに戻り大活躍した、史上稀に見る「出戻り成功助っ人」でもありました。

◆カープを2度救ったロペス

 スラムダンクの三井寿というキャラクターをご存知でしょうか。素晴らしい才能を持っていたのにバスケ部を辞めてしまい荒れた生活を送るも、バスケを忘れられず部に復帰し大活躍する・・・。言わずと知れた天才シューターです。

 バスケ部に戻る際に発した「安西先生、バスケがしたいです。」というセリフは誰もが聞いたことがあるでしょう。

 このロペスはまさに三井寿。カープに入団し2年連続打点王に輝くも3年目に契約に至らず退団。翌年ダイエーで活躍したものの、その年で自由契約となりアメリカへと帰ってしまいます。

 アメリカの小さな独立リーグで燻るルイス。そしてある時気づくのです。「やっぱり俺はカープが好きだ。達川監督・・・カープで野球がしたいです!」と、そんな流れだったのかはさておき、カープへの復帰をシーズン途中に決めたロペス(実際はカープがオファーしたのでそこまで三井ではありません)。

 誰もが年齢やブランクを考えると活躍は難しいかもしれない、と思っていましたが、勝負強さは健在。前の年に巨人へと移籍した江藤選手の33を背負いカープの中軸を担います。翌年も3割100打点をクリアしたロペス。以前と遜色ない活躍を見せるのでした。