◆内藤哲也の1番の魅力は……

以前、当コラム(第18試合)で“ドラフト1位指名”した辻陽太選手を攻め立てる内藤選手。

 つぎに内藤哲也の魅力ということですけど、自分で自分の魅力を語るっていうのは難しいし、ちょっと恥ずかしいですね(笑)。質問の答えとはちょっと違うかもしれないけど、自分で客観的に見て“内藤哲也はここがいいよな”って思う点は、いまだにオレ自身がプロレスファンであることですかね。

 確かにプロなんだから、ファンのときの気持ちは忘れて、すべてのことにプロとして接するべきという考えもあるとは思います。でも、好きなものは好きだし昔の気持ちは変わらないし、どれだけ時間が経っても、そのときの気持ちは抜け切らないですよ。

 だからファン時代に抱いた夢が、そのままプロレスラーとしての夢になって、いまも一つずつ叶えようとしているんです。ファンの皆さまの目に見えるものではないけど、いまだにプロレスファンであり続けているのが内藤哲也の一番の魅力じゃないかなと思います。

 今回の質問をいただいて、あらためて自分がファンのときのことを思い出してみました。オレはファン時代にプロレスラーに質問するとしても、「あの技ってどれくらい痛いんですか?」とか「花道を歩いているときはどういう感じなんですか?」とか、そういうことは聞きませんでした。

 だってそれは、自分が将来プロレスラーになったときに絶対に味わえると信じていたので。「新日本プロレスの道場の雰囲気はどうなんですか?」とかも、自分が入門したら絶対に味わえることだから、いま聞かなくてもいいじゃんっていう気持ちがありました。

 だから、仮に聞くとしても「どうやったらそんなに体重が増えますか?」とか「どうやったらそんなに腕が太くなりますか? 胸板が厚くなりますか?」とか、そういうことを聞きたかったですね。昔はカラダが細くて体重も全然なかったので、プロレスラーになるための体づくりには興味がありました。