4月9日、羽月隆太郎が一軍に合流した。初の開幕一軍入りは叶わなかったものの、ここまでウエスタン・リーグで全試合(10試合、4月8日現在)に出場し、打率は.250ながらリーグトップの10盗塁をマーク。持ち味の機動力で今季初昇格を勝ち取った。

矢野雅哉選手と共に今季の一軍春季キャンプを盛り上げた羽月隆太郎選手。

「(一番のアピールポイントは)脚力です。小さい頃から走ることが好きで、今でも走ることは誰にも負けたくないという気持ちがあります。走力を盗塁、走塁に生かすのはもちろん、守備や打撃も含めて全てのプレーで足を使ってアピールしていきたいと思っています」

 ルーキーイヤーの言葉にもあるように、羽月の大きな持ち味であるのがその脚力だ。入団当初から赤松真人二軍外野守備・走塁コーチの指導のもと連日、盗塁のスキルアップに努めてきた。同コーチのアドバイスを消化することで、成功率も次第に上向きとなっている。

「自分が塁に出た時はほとんどの状況で『行けると思ったら行って良いよ』と言っていただいています。また失敗したとしても『根拠がある失敗なら良い』という言葉をかけてもらっているので、気持ちの面でも走りやすい状況をつくっていただいています。そういう言葉をかけてもらっているからこそ、闇雲に行くのではなく、自分なりに行くべき理由をはっきりとさせるようにしています」

 今季のカープは12球団で一番盗塁を記録したのが遅く、また回数も2回(曽根海成、鈴木誠也)とソフトバンクと並んで両リーグ最少だ。河田雄祐ヘッドコーチの復帰で、今季のカープは機動力野球の復活も掲げている。それだけにチーム随一の元気印が昇格することで、チーム内の先の塁を狙う意識に変化が見られることを望みたい。