九里亜蓮が巨人打線を相手に7回3安打2失点(自責点1)と好投し、開幕3連勝をマークした。今季は春季キャンプの第1クールから300球を超える投げ込みを見せるなど、フィジカル、メンタル両面で好調をキープ。昨年の9月以降はエースと呼んでもおかしくない安定感を見せている。

打者走者と交錯するアクシデントを乗り越え、両リーグ単独トップの3勝目を挙げた久里亜蓮投手。

 飛躍のキッカケとなったのは昨年の10月13日。当時、開幕から13連勝を果たしていた菅野智之との投げ合いを制し、8回1失点で6勝目を挙げた試合だ。昨季初の完封勝利を飾った9月28日以降、これで3試合続けての好投。3試合連続でクオリティースタートを達成したことで、自身の投球に大きな手応えを感じるようになったという。

「あの時点で菅野投手は13勝で負けなしという成績でした。あの試合は早いイニングから野手の方が得点を取ってくれて、僕自身気持ち的にも楽になりましたし、しっかり自分の思う通りの投球をして、勝ちをつけてもらえました。その登板で自信がついたというか、『自分が持っている力をしっかり出した上で、打者1人1人と勝負していけば、球界を代表する投手と投げ合っても試合をつくっていけるんだ』ということを感じることができました」

 一昨年までの久里は完璧を求めるあまり、気持ちが空回りして結果がついてこないこともあった。先発からロングリリーフもできる中継ぎに配置転換という流れが続いていたが、昨年は尻上がりに状態を上げることで年間を通じて先発ローテを守り切った。

「自分の性格的に変に完璧を求めて『絶対0点に抑えるんだ』と思いがちだったんです。ですが、あの試合のように1回も負けていない菅野投手を相手に投げ合うことで、逆に良い意味で開き直ることができて、それが良い方向に進んだのかなと思います。あの試合から終盤にかけては、そういうメンタルでいけたと思います」

 2017年の9勝以降は、3年連続で8勝をマークしている九里。今季こそは、かねてからの目標の一つでもある二ケタ勝利を成し遂げたい。