セ・リーグ5球団との対戦が一回りした時点では『8勝6敗1分』と好調をキープしていたカープだが、4月11日の巨人戦から3試合連続で完封負け。16試合にわたり連続試合安打を続けていた菊池涼介の記録も、4月15日の阪神戦で途切れてしまった。

本日の中日戦の予告先発は遠藤淳志投手。今季は二軍で3試合に登板し、1勝2敗、防御率5.30という数字となっている。

 リーグ3連覇当時と違い今季は主に投手力で安定した戦いを見せていたが、ここへきて打撃陣の不調が顕著に。「打線は水物」とはよく言われるものの、3試合連続での零封負けは、さすがに楽観視できるような状況とは言えないだろう。

 好調と不調が同居したシーズンとして思い出されるのが、緒方孝市前監督の最終年だ。2019年と言えば大型連勝、大型連敗を繰り返したジェットコースターのようなシーズン。リーグ3連覇中の借金は最大で1だったが、この年は開幕4戦目で早くも借金2を記録している。

 その後もチーム状態は上向かず、11試合目にして早くも優勝確率が0%(開幕4カード連続負け越しから優勝した球団はなし)に。ところが17戦目で“逆転の広島”を発動すると、球団タイ記録となる3試合連続完封勝ちを含む怒涛の巻き返しを見せ、24試合目には借金を完済した。

 新元号となった5月には球団最多となる月間20勝を達成。借金8から翌月に貯金10に乗せたのは、セ・リーグでは初の記録である。絵に描いたようなV字回復に、リーグ4連覇も現実的なものとなっていった。

 ところが球団新記録となる月間20勝の勢いも、鬼門の前には無力化を余儀なくされた。交流戦の初戦でサヨナラ負けを喫すると、それ以降は好調を維持していた打撃陣が一斉に沈黙。荒稼ぎした貯金は一夜ごとに目減りし、6月18日にはついに首位の座から転落した。

 リーグ3連覇当時とは違い、2019年からは少しの綻びから大型連敗を喫してしまうシーンが、やや目立つ。現状はまだ3連敗とはいえ、打線の奮起でまずは本日のカード初戦(対中日)をモノにしたい。