その道を突き詰めてきた選手を、人は敬意を持って『スペシャリスト』と呼ぶ。ここではカープの歴代投手から、『奪三振』のイメージが強い選手を中心に振り返っていく。初優勝を支えたエースから、独特のピッチングフォームが印象的な投手まで。カープファンの記憶に残る3選手をピックアップして紹介する。

2022年3月21日に開催された『Carp Legend Game』に登場した外木場義郎氏

◆外木場義郎

 初優勝時のエースで、プロ初勝利をノーヒットノーランで飾り、通算3度のノーヒットノーラン(うち完全試合1回)を達成したミスターパーフェクト。球速があり鋭く曲がる、現代でいうパワーカーブを駆使した力強い投球で勝負し、三振の山を築いていった。
【1945年生、鹿児島県出身。445試合登板、131勝138敗、3セーブ、奪三振1678、防御率2.88】

◆池谷公二郎

「シーソー投法」「ぎっこんばったん投法」などと呼ばれた豪快フォームから繰り出すストレートを武器に、1970年代から80年代に活躍。1976、1977年には2年連続で奪三振王のタイトルを手にしている。一方で、狭い旧広島市民球場でのストレート勝負は本塁打を浴びることも多く、1977年には年間で48本もの被本塁打を浴びた。
【1952年生まれ、静岡県出身。325試合出場、103勝84敗、10セーブ、奪三振1056、防御4.13】

川口和久

 力強いストレートに加え、カープやスライダーを織り混ぜながら、次々と三振に打ちとっていく川口の姿に酔いしれたファンも多いだろう。甘いマスクで女性からの人気もあり、都会的な雰囲気を持ち合わせていた。投手としては珍しいスイッチヒッターでもあった。
【1959年生、鳥取県出身。435試合登板、139勝135敗、4セーブ、奪三振2092、防御3.38】