社会人野球の二大大会の1つ、『第96回 都市対抗野球大会』が8月28日に開幕する。本大会出場権を獲得すべく、各地区では熱い戦いが繰り広げられている。

 「最高のチーム」で2年連続となる都市対抗の舞台を目指す、北関東のエイジェック硬式野球部。京橋幸多郎主将は、「選手間の密なコミュニケーションと高い意識がチームの成長を加速させている」と手応えを語る。新興勢力から強豪の一角へ成長するチームに迫った。

エイジェック硬式野球部の京橋幸多郎主将

◆目の前の一戦一戦をチーム全員で勝ち、今年も『第一代表』を勝ち取る

― 都市対抗野球北関東大会まで2週間となりましたが、チーム状況はいかがですか?

「自分は今年で5年目になりますが、その中でも一番良いチームになっていると思います。選手間で積極的にミーティングが行われ、高いレベルでの会話が出来ているように感じます」

― 昨年は創部初の『第一代表』での出場でした。今年は『打倒エイジェック』として強豪チームも警戒してくると思います。

「これまでは『新興勢力』という扱いだったと思いますが、今年からは他のチームもより『打倒エイジェック』としてマークを強めてくると考えています。今年は北関東に3枠が割り振られ、本大会の出場枠は増えていますが、それでもチーム内には危機感を持って戦おうということを共有しています」

― 昨年の都市対抗で日本通運に敗れた際、「個々の力を上げる必要がある」とおっしゃっていましたが、今年になってどのような成長がありましたか?

「攻守とも、冬の間に努力して、何が足りないかということを突き詰めてやってきたことが、試合での結果につながってきています。平均得点も増えていますし、守備のミスも減ってきていて、今までなら落としていたような試合をモノにできるようになっていると思います。特に、自分が骨折して離脱している間、髙岡(佳将)がチームを引っ張ってくれました。昨年から活躍していましたが、プレーでチームを引っ張り、JABA大会でも素晴らしい成績を残しました。主将代行を務めた草野(里葵)も、先頭に立つタイプではありませんが、4年目の年長者として上手くチームを引っ張ってくれました」

― 京橋選手も故障から復帰されましたが、どんなプレーを見せていきたいですか?

「自分はプレーで引っ張るタイプのキャプテンではないので、日頃からの野球へ向き合う姿勢や、一球にかける執念、思いで示していきたいです。そういった部分はチームで誰にも負けないと思っています」

― 昨年、エイジェックスポーツ科学総合センターがオープンしました。選手たちはどのように活用されていますか?

「アローズラボでの測定を通して、筋力のバランスや目の大切さなど、わかってはいたけれど、詳しく知らなかったことを学ぶことができました。また、トラックマンなどの測定機器を使うことで、自分の良いときの数字を知ることができて、調子を落としたときにどこに意識を向ければ良いかが分かります。今までより早く状態を戻せるようになりました」

― チームとしては、どんな部分を意識的に取り組まれてきましたか?

「よく練習する選手が多いので、チームとしては、会話をしたり、一緒に考えたりして、チームについての共通認識を持つように意識しました。都市対抗予選は他のJABA大会と違った雰囲気になるので、若い選手がプレーしやすいように、経験者はどっしり構えて試合に臨みたいですね」

― 最後に北関東大会への意気込みをお願いします。

「目の前の一戦一戦をチーム全員で勝ち、今年も“第一代表”を勝ち取れるようにプレーします。みなさまからの応援、よろしくお願いいたします」

◆プロフィール
京橋 幸多郎(きょうばし こうたろう) 
1998年10月28日生/大阪府出身/右投左打
星琳高ー白鷗大ーエイジェック(2021~)