カープ黄金期に先発の柱として活躍した北別府学氏。多くのカープファンに愛されてきた北別府氏の訃報から、今年で2年が経った。抜群のコントロールで勝ち星を積み重ねたカープのレジェンドは、開幕投手としてもチームをけん引し続けた。ここでは改めて、カープの歴史を彩った開幕投手たちを振り返る。

開幕投手5回のうち、戦績は1勝2敗2分だった。

 2025年現在、NPB史上もっとも多くの開幕マウンドに登板したのは金田正一と鈴木啓示の14回とされている。13回が村田兆治、12回が山田久志・・と、上位にはレジェンドの顔ぶれが並ぶ。

 ではカープの球団史上、開幕投手の経験回数でトップに立つのは誰かというと、黄金時代の大エースである北別府学である。

 現役通算515登板で213勝という驚異的な数字を残している大投手は、1982年〜1984年、1986年〜1989年、1993年、1994年と、実に9回の開幕マウンドを経験。『精密機械』と称される制球力を武器に、セ・リーグ最多の6勝をマークした。

 そして通算6回で2位につけたのは、1950〜1963年に所属した長谷川良平だ。入団から8年連続で200投球回以上の投球を記録するなど、球団創設間もないチームに対して文字通り身を粉にして尽くした大投手として知られている。

 3位タイにランクインしたのが前田健太(現・カブス傘下3A)だ。森下暢仁の前にエースナンバー『18』を背負った前田は、2015年に開幕投手を務めることで外木場義郎、黒田博樹に並ぶ通算5度目を達成。球界を代表する名投手にふさわしい勲章を、タイトル以外でも数多く残している。そして、その前田と並ぶ5度の開幕投手を務めたのが大瀬良大地だ。2019年に自身初の開幕投手に指名されると、2023年まで5年連続で開幕のマウンドを託された。

 6位にランクインするのは、大野豊と佐々岡真司。100勝100セーブを達成した両雄は、共に4回の開幕投手を経験。大野の42歳7カ月での開幕登板は、日本プロ野球で史上最年長の記録だ。この先もカープの偉大なレジェンドとして語り継がれるに違いない。