開幕戦で痛恨の逆転負けを喫したものの、カード一回り目までは貯金2の好成績で乗り切ったカープ。だが、以降は打線のつながりを欠く試合も見られるなど、一進一退の状態が続いている。ここではまずまずの滑り出しを見せたカード一回り目までの戦いぶりを、カープOBの笘篠賢治氏が独自の目線で分析する。

笘篠氏がキーマンと語る堂林翔太選手。早期の復調に期待がかかる。

 カード一回り目に関しては、やや打撃陣の不振が目立ちました。そういう状況下で機動力というものは大きな武器となりますから、個人的にはもう少し走る方向に舵を切っても良いのかなと思います。

 カード1、2戦目の先発投手がしっかり試合をつくっているときは、足のある若い選手を3戦目で起用するのも手かもしれません。オープン戦を見ても、カープの場合は若手選手を起用しなければ盗塁数が伸びない傾向があります。現状は走れる選手が控えに回っている状況なので、そういう選手を起用しやすくするためにも、もう少しチームの得点力を上げたいところです。

 しっかり得点を奪って、中盤から終盤にかけて若手選手を守備固めとして起用すれば、自ずと若手選手が打席に立つ機会も増えていきます。その選手が出塁すれば盗塁を狙えるシチュエーションが生まれるので、どんどん若手選手が出場できるような状況をつくりあげてほしいです。

 カープは今は盗塁ではなくリードを大きく取ることで相手チームにプレッシャーをかけていますが、牽制死が多いのが気になるところです。これは相手チーム云々ではなく、チーム全体で今一度、意思の疎通を図ってほしい部分です。痛いところでの牽制死は試合の流れを相手側に与えてしまいますから、そこは細心の注意を払いながら積極的に次の塁を狙う姿勢を見せてほしいです。