◆WBC日本代表に初選出

 翌2009年のシーズン開幕前にはWBC日本代表に初選出していただきました。トップレベルの選手たちの練習を間近で見て、すごくプラスになりましたし、明らかに野球に取り組む意識が変わりました。

 捕手陣には城島健司さん(当時マリナーズ)、阿部慎之助さん(巨人)という日本を代表する選手がいて、事前に原辰徳監督から「三番手という立場だけど、それでも大丈夫か?」と言われていました。それは承知の上でしたし、断る理由なんてありません。僕は「もちろん、やらせていただきます」と答えさせていただきました。

 ところが第2ラウンドの韓国戦で、思わぬことが起こりました。城島さんが三振をした際にホームベース付近にバットを置いたままベンチに戻られたのですが、その行為に対して球審が侮辱行為と捉えて退場を宣告したのです。阿部さんがまだベンチに控えていながら、急きょ僕が試合に出場することになりました。

 今思い返してみても、WBCでは、松坂大輔投手(当時・レッドソックス)、藤川球児投手(当時・阪神)、ダルビッシュ有投手(当時・日本ハム)など超一流の投手たちの球を受けることができたのも良い経験になりました。

 結果的に日本は決勝戦で韓国に勝ち、2大会連続の世界一となりました。僕はわずか1試合の出場だったとはいえ、トップレベルの選手たちと過ごした時間というのは、貴重な財産となりました。