◆抜群の安定感で“逆転のカープ”を演出

 その小島の後から、前述の“もう一つの流れ”が始まる。それは「外国人助っ人の背番号」だ。その始まりとなったのが、(実は小島の前、2004年途中に入団し同シーズン限りで退団したマーク・ワトソンもいるが……)小島の後に『58』を背負ったデニス・サファテ。2010年オフにカープと契約し、初年度からクローザーとしての働きを見せたサファテは、夏場には球団所属の外国人投手の最多記録を更新する25セーブ目をマークしている。

 この年、最終的には35セーブを記録する活躍を見せ、翌2012年もクローザーとして活躍が期待されたが、一転不調に陥った。同年入団したキャム・ミコライオと入れ替わる形でセットアッパーに配置転換されるも、結局はこの年限りで自由契約となり、西武へと移籍した。

 サファテの名を不動のものにしたのが、2014年からのソフトバンク時代だ。1年目から37セーブを挙げると、翌2015年から3年連続で最多セーブのタイトルを獲得(2017年の54セーブはシーズン最多セーブ記録)。だが2018年の開幕直後に股関節を故障し、そこからは長らくマウンドから遠ざかっている。一時はカープで活躍した選手だけに、その去就が気になるところだ。

 サファテが2シーズンでカープを去った後、『58』はミゲル・ソコロビッチ、ザック・フィリップス、マイク・ザガースキーと外国人助っ人が1年ごとに着けては退団、あるいは移籍という状態が続いたが、それを止めたのが2016年からプレーし、リーグ3連覇の立役者の一人となったジェイ・ジャクソンだ。

 2016年3月に来日初登板を果たしたジャクソンは、無失点で初ホールドを記録。勝利の方程式の一角に名を連ね、抜群の安定感で“逆転のカープ”を演出した。

 シーズンの大半で8回のマウンドを担い、リーグ2位となる37ホールドを記録。翌年も同じくセットアッパーとして機能し、2年連続で60試合以上の登板数を記録した。2018年は調子を落としつつも48試合には登板したが、この年限りで退団。人懐っこい笑顔でも人気を得た選手だった。