◆10年ぶりに日本人投手が継承

 そのジャクソンの穴を埋める存在として、2019年に『58』を引き継いだのがカイル・レグナルトだ。開幕から中継ぎとしてフル回転し、ハンマーカーブを武器に打者を翻弄した。

 6月30日のDeNA戦では、球団記録となる9試合連続ホールドをマーク。2013年に河内貴哉が記録した21試合連続無失点まであと5試合に迫る、16試合連続無失点の記録も残した。しかし、後半戦に防御率が悪化し、1年のみで退団となった。

 続いて2020年はDJ・ジョンソンが『58』を背負ったが、シーズン終盤の9月末には楽天にトレード。代わって支配下登録された藤井黎來が後を継ぐことになった。藤井は育成ドラフトで入団し、3年目のこの年に二軍でクローザーとして台頭。15試合に登板し、防御率0.87という成績を残して支配下登録を勝ち取った。

 同年にはわずか3試合とはいえ一軍マウンドも経験。痛打を浴びたものの、今季も一軍昇格を果たし、現時点で5試合に登板している。落差のあるフォークが魅力のリリーバーとして、また背番号『58』の持ち主としては久々の日本人選手として、期待も大きい。一時は「入れ替わりの激しい外国人の背番号」というイメージだった『58』は、藤井の活躍で再び日本人の天下となるか?

【背番号『58』を背負った主なカープ選手】
小島紳二郎(投手/2005年-2010年)
デニス・サファテ(投手/2011年-2012年)
ジェイ・ジャクソン(投手/2016年-2018年)
カイル・レグナルト(投手/2019年)
藤井黎來(投手/2020年-)
※初めて背番号を付けたシーズンのポジションを表記。