カープを覆うコロナ禍の猛威が止まらない。5月17日に菊池涼介、小園海斗、正隨優弥が新型コロナウイルスのPCR検査で陽性判定を受けてから、連日にわたって陽性判定者が出る異常事態となっている。

離脱前まで首位打者をキープしていた菊池涼介選手。

 20日には長野久義、鈴木誠也、羽月隆太郎、大盛穂、石原貴規、朝山東洋一軍打撃コーチ、チームスタッフ1名が陽性で離脱。

 21日には倉義和一軍バッテリーコーチが陽性判定者となり、その間には陰性だったとはいえ、球団独自の判断で河田雄祐コーチ、朝山東洋コーチ、磯村嘉孝、石原貴規、松山竜平、大盛穂、西川龍馬、坂倉将吾、塹江敦哉、トレーナー1名が自宅待機の処置を受けた。

 そして22日には陰性判定ながら森下暢仁、高橋昂也が濃厚接触者と判定され、陽性者と接触があった日の翌日から、2週間の行動自粛、自宅待機の流れとなった。22日からマツダスタジアムでの自主練習が再開され、松山、西川、磯村、坂倉、塹江が復帰したが、依然として先行きは不透明なままだ。

 今後については24日の12球団代表者会議で、25日からの西武戦の開催の可否が議論される予定となっている。とはいえ、かりに開催の方向で話がまとまっても、例年以上に厳しい戦いを強いられることは明白だ。

 打撃陣では好調をキープしていた菊池、小園、羽月らを欠くため、さらなる得点力不足が懸念される。投手陣も先発ローテーションで回っていた森下と高橋の2枚が欠けるとなれば、強力打線のパ・リーグを止めるのは至難の業だ。

 上記以外の投手で今季、先発マウンドを任されたのは野村祐輔、大瀬良大地、九里亜蓮、中村祐太、床田寛樹、遠藤敦志、玉村昇悟の7名。不振で二軍降格となっている投手もいるが、この非常事態では調整よりも登板を優先せざるを得ない状況だ。

 開催中止の声も挙がるなか、12球団代表者会議ではどのような結論が出されるのか。刻一刻と事態が変わる異常な状況下で、難しい判断を迫られている。