1月7日、10名の新人選手が大野寮に入寮した。プロ野球選手としてのスタートを切った期待の新人選手たち。彼らが入寮時に持参したアイテムにも、ファンの注目が集まった。

 ここでは、現在プロの世界で活躍する選手たちの入寮時の秘蔵カットを紹介する。今回は、2013年ドラフト2位・鈴木誠也をピックアップする。

両親から贈られた「香水」を持って大野寮に入寮した鈴木誠也選手。高卒野手ながらプロ1年目から一軍の試合に出場し存在感を放った。

◆高校1年から愛用しているアイテムと共にプロ生活をスタート

 2013年シーズン、二松学舎大付高からドラフト2位で入団した鈴木誠也。高校時代、甲子園出場はなく無名に近い存在だったが、野手としての潜在能力の高さが評価され、上位指名を受け、背番号51のユニフォームに袖を通した。

 入寮日に、鈴木が報道陣に披露した持参アイテムは愛用の「香水」。

「親からプレゼントしてもらった香水を持ってきました。このニオイは落ち着くので(笑)。1年目から一軍に出る気持ちでやりたいです」。

 高校1年の誕生日に、両親からプレゼントされた香水の香りが気に入り、それ以降も、リラックスできるからと使い続けてきた。3年間愛用した香水の香りは、プロ生活をスタートさせた鈴木にとって、お世話になった両親の存在を身近を感じるものになったのかもしれない。

 鈴木は入寮翌日から始まった新人合同自主トレーニングで軽快な動きを披露。

「いよいよ始まるんだなと思いました。思ったより体も動きましたし、あまり緊張もなくできました。プロの練習についていけるように、しっかりと体作りをしていきたいと思っています」。

 順調に自主トレを消化して春季キャンプを迎えると、2月2日には1日限定とはなったが、一軍キャンプに参加。当時の指揮官である野村謙二郎が見守るなか、練習を行った。

 開幕は二軍で迎えるも、高卒1年目ながらレギュラーに定着。試合で打席を重ねるうちに二軍首脳陣の評価が上昇し、9月14日には鈴木が目標にしていた、1年目からの一軍昇格を果たした。9月16日には一軍初安打・初打点を記録。10月3日の前田智徳の引退試合では、スタメンに抜擢されるなど、1年目から一軍の舞台で貴重な経験を積んだ。

 カープでは1999年の東出輝裕以来となる、高卒新人野手の一軍昇格を果たした逸材は、常に現状に満足することなく鍛錬を重ね、2年目以降もコンスタントに一軍の試合に出場。そしてプロ4年目の2016年に大ブレイクを果たすと、誰もが認める『4番打者』へと成長を遂げ、メジャーの世界へと羽ばたいていった。

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