新型コロナウイルス陽性判定者が計12名にのぼるなど、カープがかつてないほどの激震に見舞われている。試合再開も不透明ななか、OBの笘篠賢治氏がカープの現状を考察する。

5月18日の巨人戦でスタメン出場。プロ3年目で初打点をマークした林晃汰選手。

 選手、コーチら計12名の新型コロナ陽性者が出た影響で、カープは5月25日、26日の西武との交流戦2試合を延期することになり、これで前カードの阪神戦から5試合連続で中止となりました。

 その結果、二軍も試合中止となり、1試合でも多く経験を積みたい若手たちにとっても、厳しい状況が続いています。感染者がさらに増えないことを祈るばかりです。

 さて、では先週の試合を振り返っていきましょう。まずは5月18日の巨人戦。2対7で負けてはしまいましたが、オーダーがガラッと変わったなか、3年目の林晃汰がプロ初打点をマークしました。

 二軍でも本塁打を連発するなど状態が上がっていたときに、コロナ禍のタイミングだったとはいえ一軍に呼ばれて、すぐに試合で使ってもらって結果を残すことができました。私自身もそうですし、キャンプから期待されている選手だっただけに本当に良かったですね。

 翌19日は中村奨成が捕手としてスタメンで初出場し、九里亜蓮の完投に大きく貢献しました。本人としてはやっぱり捕手として出たいという思いがあるはずですから、ひとつ良いキッカケになったと思います。

 その他にも羽月隆太郎が3安打、クロンが満塁本塁打、堂林翔太が2安打、田中広輔が一番に座って適時二塁打など、今後に向けた好材料となるであろうと思われることがたくさんありました。それだけに阪神戦の中止はかなり痛かったです。こればかりは仕方ないのですが、良い波に乗って交流戦を迎えたかったですね。