ドラフト会議2025で、カープは育成を含む9選手との交渉権を獲得した。大卒選手を中心に即戦力の呼び声高い顔ぶれが並び、早くも来シーズンへの期待が高まっている。ここではカープOB・大野豊氏が、新井カープ4度目のドラフトを独自の目線で解説する。(全2回/第1回)
◆即戦力を中心に獲得。課題を補強するドラフトに
10月23日に行われたドラフト会議で、カープは育成を含め9選手との交渉権を獲得しました。カープは1位で立石正広(創価大・内野手)を指名しましたが、こちらは競合の末に交渉権を逃してしまいました。『野手を獲りたい』という球団の意向もあってか、次に指名をしたのが仙台大の大型外野手・平川蓮で、こちらは獲得に成功しています。
支配下枠では7選手を指名しましたが、6位の西川篤夢(神村学園高等部伊賀)以外は全員が大卒というところを見ても、ある程度は即戦力を期待してのドラフトではなかったかと思います。
1位で獲得した平川はスイッチヒッターということですが、彼のスイッチがプロの世界でどこまで通用し、活躍できるかは非常に期待の高い部分です。やはりカープが強い時期というのは、髙橋慶彦、山崎隆造、正田耕三といったスイッチヒッターの活躍がありました。そういう意味でも、平川のスイッチヒッターとしての魅力がどこまで通用するかという点には期待を持ちたいところです。
ドラフトに関して私の考えをお話するならば、一概に『欲しい選手が獲れたから成功、獲れなければ失敗』とは言い切れないと感じています。
ドラフト指名はあくまでもスタートであり、彼らが来年以降、しっかりと活躍してくれることこそが成功なのです。今年のドラフトが成功だったかどうかという答え合わせはまだ先になりますが、全体的に見て、カープの補強すべきところがかなり補強できた印象はありました。

