新人ながら、内野の守備で存在感を発揮する矢野雅哉選手。

◆粘り強い打撃を身につけ、もう一度、一軍の舞台へ

 名門・亜細亜大で鍛え上げられた守備力を武器にドラフト6位で入団した矢野雅哉。春季キャンプは一軍に帯同し、強肩を生かしたショートの守備は一軍でも十分通用するところを見せつけた。

 また、課題と言われた打撃でも巧打者ぶりを発揮。走攻守、全ての面でアピールに成功した矢野は、1年目から開幕一軍入りを果たした。しかし、出場機会に恵まれず、4月下旬には二軍で実戦経験を積むこととなった。

「一軍では失敗は許されませんが、二軍は、失敗しても、そこから学ぶ場所でもあると言われたので、打撃でも走塁でも、失敗を恐れず積極的にプレーしたいと思っています。特に打撃面では試してみたいことがあるので、実戦でどんどん挑戦していくつもりです」

 矢野がバッティングで意識しているのは粘り強さ。追い込まれても凡打で終わらず、粘って出塁のチャンスをうかがう。数字で表すと出塁率の向上が矢野が意識するテーマとなる。

「打席では簡単にアウトにならないのが課題です。バントを含めた小技もできて、しぶとさも持ち合わせた打者を目指していきたいと思っています」

 二軍降格以降、打率は2割前半ながらも、出塁率は3割台をキープし、少しずつではあるが結果を残しつつある。目立つのは四球の多さ。チームトップタイの13四球(6月10日時点)を奪い取り、チャンスメークに貢献している。

「守備や走塁を含め、基本的な部分も徹底して磨いていきたいと思います。次に一軍に上がる時はスタメンで使ってもらえる選手になるのが目標。そのために二軍でアピールを続けていきます」

 ドラフト6位入団ながらも開幕一軍を果たすなど、さまざまな経験を積む新人野手が、由宇を舞台にどんな成長をみせてくれるか、期待がかかる。