一軍復帰の期待がかかる今村猛投手。

 リーグ3連覇を果たした頃は、チームを勝利に導くセットアッパーとして活躍した今村猛だが、ここ2年は二軍での調整が続いている。昨季の一軍登板はわずか6試合。今季はここまで一軍昇格はなく、本来の投球を取り戻すため、試行錯誤を重ねている。

 今村の生命線はノビのあるストレート。昨季は本来の球を投げられなかったが、今季のストレートは優勝に貢献した頃のような質を取り戻しつつある。

「今年はストレートの感覚が良いので、それを軸に変化球を使ったり、打者と駆け引きができる余裕も生まれています。良い手応えを感じていますね」

 結果もついてきている。二軍では6月中旬までに17試合に登板し防御率は1点台。リリーフとして安定した投球をみせている。

「課題は走者がいる場面でのクイックや勝負どころでの力の入れ方の精度を上げていくことです。また、リリーフは日によって体の状態が変わるので、その影響を登板では感じさせないようにすることも大事だと思っています」

 二軍では中﨑翔太や一岡竜司など、今村同様に優勝に貢献したリリーフ投手が調整を続けている。シーズン後半、より緊迫した試合が続けば、経験豊富な投手が必ず必要になるはずだ。

「若い選手が一軍で活躍していますが、チームが困った時には僕らの経験が活きてくると思っていますし、まだまだ僕らは問題なくやれると思っています。しっかりと調整して、いつ一軍に呼ばれてもいい状態にしておきたいです」

 プロ12年目。30代を迎えたがまだまだ若い選手に負けるつもりはない。長年カープのブルペンを支えてきた剛腕は、虎視眈々と一軍昇格の時を待つ。