スイスの名門グラスホッパーへの完全移籍が決まった川辺駿選手。

 17連戦を4勝6分7敗で終え、後半戦の戦いに挑むサンフレッチェ広島。ここではサンフレOBの吉田安孝氏が、独自の目線で選んだ、月間(5月12日〜5月30日)MVP&ベストゴール&ベストゲームを紹介する。

◆[月間MVP/野上結貴]「リーグ後半戦の逆襲に欠かせない選手」

 月間MVPはこれまでずーっと試合に出続けている野上です。あまり目立たないかもしれませんが、DFとして大変高い守備のスキルを持ちながら、攻撃能力と貢献度もとても高い。非常に器用な選手で、FC東京戦では試合の流れでウイングバックに入りましたし、状況に応じていろいろな場所で的確なプレーができる選手です。

 なかなか波に乗り切れない中で、いろんなところを任せることができるので、監督からしたら重宝する選手だと思います。今シーズンは4バックから始まり、3バックへと変更していきましたが、常に安定感があり、攻撃的な感覚も失っていません。また、大柄ですが足先がすごく器用で、細かいテクニックも魅力的。リーグ後半戦の巻き返しになくてはならない選手です。

◆[月間ベストゴール/VSガンバ大阪戦の2ゴール目:川辺駿]

 きれいなカウンターが見事でした。最終ラインから70~80mのフリーランニングをしてタイミングを逃さずに決めた川辺はもちろん、サントスのパスのコントロールもすごかった。藤井のランニングも効いていたし、全員の動きが素晴らしかったです。

◆[月間ベストゲーム/J1リーグ第15節:VSセレッソ大阪]

 4バックから3バックに戻した試合。城福監督はよく決断したと思いますし、要求に応えて結果を出した選手も素晴らしかった。戦術を変えるときに立ち戻る場所があることが、就任4年目を迎えた城福監督の功績の一つだと思いますね。