若手野手の台頭が目立つカープ打撃陣。7月以降の戦いに向けて、打線のキーマンとなる選手はだれか。カープOBの笘篠賢治氏が独自の目線で分析する。

レギュラー奪取の期待がかかる野間峻祥選手。

◆レギュラーに近い場所にいる野間峻祥

 6月30日の巨人戦(東京ドーム)、相手の先発・山口俊に、終盤までノーヒットに抑えられていましたが、8回1死から野間峻祥が値千金の本塁打をライトスタンドに叩き込みました。今までの鬱憤を晴らしてくれる本塁打で、チームにとってだけでなく、本人にとっても、あの緊迫した場面で一発が出たというのは大きかったと思います。

 野間はそろそろレギュラーになってもらわないといけない選手です。いまだに若手という扱いをされているような感じがしますが、今年でプロ7年目。チームの中心選手になるという意識を持たないといけないと思います。性格的にとても明るく、盛り上げることもできるタイプの選手なので、若い選手がどんどん入ってきている今、見本になるような選手にならないといけません。

 プレイヤーとしての自覚は起用し続ける中で芽生えてくるはずです。何度も言ってきましたが、結果が出なければスタメンから外すという使い方では、いつまで経ってもレギュラーとしての力量が分からないままシーズンを終えてしまいます。着実に結果を残しつつあるので、首脳陣も我慢して使い続けてほしいところです。

 今、状態の良いオリックスは、まさにそういう起用をしていると思います。結果が伴わない選手をころころ変えることが続き、いつまで経ってもレギュラーが固定されませんでしたが、今年はチームが機能して、戦い方も安定してきました。そして、勝つことで自然とチーム状態も上がっています。

 野間もレギュラーに育てなければいけない選手です。起用の優先度をつけるのであれば、優先順位の高い選手の一人だと思うので、このままスタメンで起用し続けてもらいたいところです。