◆力まない打撃の習得

─今回の春季日南キャンプはプロ4回目となりますが、どんな目的を持って練習に臨んでいますか?

「いろんなことがありますが、守備は秋からやってきたことを完璧にできるようにしたいと思っています。走塁ももっと走れるように河田さん(雄祐・当時一軍外野守備・走塁コーチ)といろんな話をさせてもらっています。打撃は自分の感覚もあるので、人に聞くのも良いですが、ある程度自分で考えながら練習をしていこうという気持ちでやっています」

─新任の東出輝裕一軍打撃コーチ、河田コーチから指導を受けてみてどんな印象ですか?

「河田さんの指導は面白いですね。〝やるときはやる。やらないときはやらない〟というメリハリがあって、切り替えがハッキリされている方なので、僕の中ではすごくやりやすいですね。東出さんは二軍のときからいろいろ教えていただいていましたし、結構ズバっと指摘していただくので、僕的にはありがたいと感じています」

─昨年お話を伺ったときに『試合で力まないために練習から力むようにしている』と仰っていましたが、現在はどんな感覚で打撃練習をされているのですか?

「そのときの感覚はありますが、昨季中は『力まない』ということが分からない状態でした。自分なりに工夫をした結果、昨季はそのような意識で練習をしていました。でも今は、〝力を抜いてインパクトだけ〟ということが少しずつ理解できています。今は、いかに楽に構えて、いかに自分の腕を忘れるかということを一番意識してスイングをしています」

─腕を忘れるために、具体的な動きがあるのですか?

「力まないために腕を消すというイメージを持ちながら、構えるときにリラックスするように腕を軽く上下に動かしていますね。最近その仕草が内川さんに似ているとよく言われることがあります。でも……、決して真似をしている訳ではありません(笑)」

◆2013年から2020年に行った鈴木誠也のインタビューは、広島アスリートマガジン2020特別増刊号「鈴木誠也 全インタビュー集」で公開中。