今季、いまだ一軍での登板がない一岡竜司。プロ10年目を迎えたリリーバーの実績と経験は、巻き返しを図る一軍に必要となるときがくるはずだ。二軍で、若手と共に鍛錬を重ねる背番号30の思いを届ける。

一軍を目指し二軍で調整を続ける一岡竜司投手。

◆一軍に呼ばれた時、高いパフォーマンスで臨めるように

─チームを見渡すと若い選手が増えました。一岡投手自身、若手の姿からどんな影響を受けていますか?

「二軍にいる若い選手たちは、毎日真剣に野球と向き合っています。彼らと一緒に時間を過ごし、ガムシャラな姿を見ることで、自分自身、学ぶことも多いですね」

─若い選手からアドバイスを求められることも多いのではないですか?

「もちろん求められたら話します。ただ、耳から入る情報より目から入る情報のほうが多いんですよね。僕も若い頃は、見て学ぶことのほうが多かったので、若い選手に見られている意識は持つようにしています。ただ、意識することで変な失敗をしてはいけないという圧を自分で勝手にかけてしまうこともあります(苦笑)」

─今年もコロナウイルスの影響で、大変な状況が続き、いろんなことが制限されています。そんな中、どんな気持ちで野球と向き合っていますか?

「一軍、二軍関係なく、野球ができることに本当に感謝しています。緊急事態宣言が出る前は、タマスタ筑後やナゴヤの球場ではファンの方がいる中でプレーすることができました。やっぱりファンの方の前で投げると、プラスアルファの力が出るものです。そういう意味でもファンの方あってのプロ野球だと感じています。今シーズンはここまで、ホームユニホームを着て、カープファンの方の前で投げることができていないので、その鬱憤を早く晴らしたいと思っています」

─一岡投手が一軍のマウンドに帰ってくる日を楽しみに待っているカープファンの方は多いです。夏場以降、どんな活躍を見せていきたいですか?

「一軍で投げていたから分かるのですが、リリーフにとって、梅雨から夏場にかけての時期は一番辛い時期です。一軍のブルペンには、新人投手を含め、1年間一軍で投げた経験がある投手は少ないと思うので、これから蒸し暑くなってくるとパフォーマンスを維持するのが大変だと感じる時がくると思います。その時に少しでも一軍の力になれるようにしたいです。一軍に呼ばれた時には、高いパフォーマンスで臨めるように、しっかり準備していきたいと思います」

─リリーフ投手は連日登板に向けて準備しないといけないだけに、全ての試合を100%の状態で臨むのは至難の業だと思います。体の状態が万全ではない時、意識されていることはありますか?

「僕自身、体の状態は1日1日が別物だと思っているので、何か違うなと思ったら、ブルペンで足の上げ方を変えてみるなど、納得のいく球を投げられるようにいろいろと試しています。ときにはやりすぎて崩れてしまうこともありますが、柔軟に対応していくのが自分の良さだと思っているので、結果を出すために出来るかぎり試行錯誤したいと思っています」

─巻き返しを図るうえで経験豊富な一岡投手の存在は欠かせません。一軍での登板を楽しみにしているファンに方にメッセージをお願いします。

「一軍のチーム状況は決して良いとは言えないだけに、一日でも早く一軍の戦力になれるようコンディションを上げていくことが今の自分の役目だと思っています。もし一軍のマウンドで投げる日が来たら、“久しぶりに一岡を見た”と盛り上がってもらえたらうれしいです(笑)。シーズンはまだまだ続きます。カープファンのみなさんの存在が選手の力になるのは間違いないことなので、これからも応援をよろしくお願いします」