お笑い芸人として活躍中のザ・ギース尾関高文氏の本連載。これまでカープに在籍した歴代外国人選手を、時には厳しく、時には優しく、時にはユーモアを交えながら、尾関氏ならではの視点で紹介していきます。今回は、1993年から1995年にカープに在籍。1994年には打線の中軸を担ったメディーナ選手を取り上げます。

◆“クリーンナップ”メディーナ

 3番前田・4番江藤・5番メディーナ。この並びが青春時代のクリーンアップだった人も多いのではないでしょうか。天才前田からのホームランキング江藤、からのメディーナ。目を瞑るとドットで表示されたこのファミスタ打線が浮かんできます。

 ロバートダウニーJr.のようなハンサムな風貌に、長打を狙えるパワーでカープの中軸を担ったメディーナ。とてつもない活躍をしたわけではありませんが、1年だけそこそこの結果を残し、フワッとカープを去った虹のような助っ人でした。

◆“そこそこ”メディーナ

 メディーナがインディアンスからカープに来たのは1993年。オープン戦で3冠王となり最高のスタートを切った直後、公式戦3試合目で肩を骨折し最悪の形でシーズンが終了します。しかし翌年はその本領を発揮。打率.271、14本塁打、70打点というまずまずの成績で契約延長となりました。最終的に翌年自由契約となってしまいますが、ナイスガイな笑顔も印象的な選手でした。

◆“逆襲の”メディーナ

 そんなメディーナの本当の活躍はここからでした。カープを去った翌年からダイヤモンドバックスでスーパーバイザーとして5年過ごした後、カンザスシティ・ロイヤルズに入団。

 スカウトとして賞を受けるなど素晴らしい結果を出すと、ロイヤルズのGM補佐に就任するのです。なんと凄まじい出世。日本でそこそこの虹のような助っ人だったなどと、どの口が言ったのでしょうか。私は今後メディーナさんがいる東北東に足を向けて寝ることはできません。

 元カープ野村謙二郎さんにお会いした時におっしゃっていましたが、メディーナはロイヤルズで勉強したいという謙二郎さんを球団に招待してくれるなど色々と助けてくれた存在とのこと(謙二郎さんがロイヤルズのキャンプでヒューバーに出会い、その後カープに来たという縁もありました)。

 そういった他人のために動いてくれる人柄も、GM補佐にまでなった要因なのでしょう。コルビー・ルイスとカープが契約した時も、一旦ロイヤルズ所属の状態で交渉させてもらい、カープが無事ルイス入団へと漕ぎ着けた経緯もあります。メディーナのおかげで、カープは、ロイヤルズとはとても深い繋がりがあるのです。

◆“三つ子パパ?!”メディーナ

 今もロイヤルズで活躍するメディーナ。近況を球団のサイトで見ているとメディーナの紹介ページに衝撃の事実を発見しました。

「メディーナはアリゾナ州フェニックスに妻のカーラと三つ子のアリアナ、クロエ、ギャレットとともに住んでいます。」

 なんということでしょう。訳し方が間違っていなければメディーナは三つ子のパパでもあるようなのです!実はNPB初の三つ子のパパ助っ人でもあったメディーナ(おそらく)。GM補佐としての活躍を一瞬忘れてしまうほどの衝撃でした。今後も三つ子のお嬢様たちのため健康に気をつけて頑張っていただきたい、そしてまたカープのために力を貸して頂きたいと願うばかりです。

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ザ・ギース 尾関高文(おぜきたかふみ)
広島県東広島市西条町出身のお笑い芸人、熱狂的なカープファン。好きな歴代カープ選手はロビンソン・チェコ投手。 2012年に出演したアメトーーク「広島カープ芸人」で、「カープ OB の北別府さんはブログのコメントに全て返信する」と語り、北別府氏のブログを炎上させた経験を持つ。

[尾関高文公式Twitter]@geeseojeck