◆価値を証明し、さらなる高みへ

ー傍から見た感想ですが、ここ2年で顔つきがさらに精悍になり、守護神として大きく成長を遂げられたように思います。ご自身でも成長を感じるところはありますか?

「そうですか(笑)。ありがとうございます。2019年、2020年と多くの試合に出場して、良いこともあれば悔しい思いもたくさんしてきました。そのときどきで起こる事象に対しての考え方だったり、メンタル的な部分のコントロールはすごくできるようになってきたと思います。特に、デビューした2019年の頃に比べれば、変わったのではないかと思います」

ー得意なプレーはコーチング(味方に正確な指示を出すこと)ですよね。

「はい、コーチングは得意だと思いますが、最近はいろいろとトライする中でストロングポイントが増えてきました。特に守備範囲の広さは、自分の武器というか強味です。試合の中でどんどん生かしていきたいと思っています」

ー試合が始まる前はどのように過ごしていますか?

「自分のゾーンに入るというか、喋らなくなります。選手によっては、試合前でもずっと喋っている人もいますが、僕は集中したいタイプです」

ーGKの性質上、集中するための準備は欠かせないでしょうね。

「GKはひとつのミスが失点につながるポジションです。失点と常に隣り合わせにいるので、できるだけ集中して良い状態に持っていきたいと思っています。だから試合前は、几帳面というか繊細になります」

ー大迫選手はおおらかな印象がありますが、試合前は変わるんですか?

「おおらかそうと言われることも多いですが、自分では大雑把な性格だと思っています(笑)。でも試合前になるとそこが変わるので、ピッチ内外で性格が違うとよく言われます(笑)」

◆記録はあくまでも通過点

ー21歳でJ1通算50試合出場を達成されました。経験の豊富さが求められるGKというポジションで、若い年代からレギュラーをつかんだ選手はごく僅かです。

「すごいことなんだという実感はほとんどありません。それこそ浦和の西川さんは先日、J1通算500試合出場を達成されています。そういうすごい選手もいるので、僕の50試合は、まだまだひとつの通過点に過ぎないと感じています」

ー目線を常に高いところに持たれているのが成長の秘訣かもしれませんね。目標にされていた東京五輪出場を含め、さらに先の目標も描いていますか?

「五輪出場をずっと目標にしてきたので、そこに向けての活動に参加できるのは率直にうれしいです。自国開催というのも自分のサッカー人生の中で最後になると思いますし、その年代に自分がドンピシャで当てはまっているのは幸せなことです。また、五輪の次は、W杯(2022年開催予定)があります。ずっと日本代表に選ばれたいと思っているので、その時その時の試合で、しっかりと活躍することが大事です。自分の存在価値をどんどん上げて、日本を代表する選手になりたいと思っています」