8月5日に開幕した、第107回全国高等学校野球選手権大会。今年も予選を勝ち抜いた高校球児たちが、甲子園球場を舞台に白熱した試合を繰り広げている。ここでは、カープ選手が高校時代について語ったインタビュー再編集してお届けする。

 今回は、愛知県代表・中京大中京高出身の堂林翔太が登場。エースで4番をつとめ、チームを全国制覇へと導いた堂林が、試合後に流した悔し涙の理由とは。

プロ16年目、ベテランの域に入った堂林

◆悔しさとともに成し遂げた、悲願の全国制覇

 今なお語り継がれる、2009年・夏の甲子園での中京大中京高対日本文理高の決勝戦。堂林はエースで4番として決勝進出に貢献した。

 この試合、9回2死まで中京大中京高が6点リード。勝敗が決したように思われたが、あと1人のところから、日本文理高の猛追がスタートする。

 優勝投手を目指し力投を続けた堂林は、ここで途中降板。最後は1点差まで詰め寄られたものの逃げ切り、外野で全国制覇の瞬間を迎えることになった。

 「一番は、一球の怖さというものを学びましたね。野球は試合終了まで何が起こるか分かりません。それを改めて感じた試合でした」

 最後まで投げきれなかった悔しさから、試合後には涙を流した堂林。その涙は、高校野球の一発勝負の怖さと醍醐味を教えてくれた。

■堂林翔太(どうばやし・しょうた)

1991年8月17日生、愛知県出身/184cm・96kg
右投右打/内野手/プロ16年目・34歳
中京大中京高ー広島(2009年ドラフト2位)