ともに勝点46で5位、6位に並ぶ神戸とのマッチアップは、後半開始早々に退場者を出す波乱の展開に。一人少ない状況を感じさせないプレーで神戸を攻め立てた広島だったが、終了間際のオウンゴールで失点し、苦しい敗戦となった。

神戸の攻撃陣を封じたDF・荒木隼人

 昨季王者をホームに迎えての一戦は、前半から神戸が押し込む展開が続いた。セットプレーから再三ピンチを招くが、全員の体を張った守備とGK・大迫敬介の好セーブで跳ね返す。44分にはCKから東俊希が頭で合わせ決定機を迎えるが、これは相手GK・前川黛也に弾かれてしまった。両GKのファインセーブもあり、互いに無得点のまま前半は終了。

 後半開始直後には、佐々木翔がDOGSO(決定的な得点機会の阻止)によるレッドカードで退場。キャプテンの退場により1人少ない状態で30分以上を戦うことになった広島は、すかさず長身FW・木下康介と、新加入の韓国代表DF・キムジュソンを投入すると、一人足りない状況を感じさせない圧力で神戸ゴールに迫る。スコアレスの試合が動いたのは終了間際の86分。神戸DF・永戸勝也のCKがオウンゴールを誘発し、神戸が土壇場で1点を先制する。なんとか追いつきたい広島は、加藤陸次樹、中島洋太朗に加え、17歳ルーキー・小林志紋を投入するが、固い守備を敷いてきた神戸の前にゴールネットを揺らすことができず、苦しい敗戦となった。

 試合後の会見でスキッベ監督は「前半は自分たちが良いサッカーを見せることができなかった。後半に関しては、一人少なくなったにも関わらず、高い位置でボールを奪うこともでき、走力、気持ちの面でも良いサッカーをできていたと思う。失点のシーンは本当にアンラッキーだった」と振り返った。

 広島は次節、8月23日にアウェイで東京Vと対戦する。