後半戦も先発ローテの一員として期待がかかる玉村昇悟投手。

 8月1日にマツダスタジアムで行われたロッテとのエキシビジョンマッチ。高卒2年目左腕・玉村昇悟が先発し、6回1失点の投球。試合は引き分けに終わったが、先発として結果を残し、後半戦に弾みをつけた。

 エキシビジョンマッチ初登板となった玉村。毎回のように走者を背負う投球となったが、ピンチの場面でも崩れることなく、持ち味の粘りの投球をみせた。初回の無死一、二塁は後続3人を外野フライ。3回の2死満塁は、安田尚憲の内角に物怖じすることなく直球を投げ込み、左飛に打ち取った。玉村は6回を投げて1失点。7安打2四球を与え球数も100球を超えたが、シーズン同様、先発としての役目を果たした。

「ピンチの場面では甘くならないように、とにかくコースに丁寧に投げ切ることを何よりも意識しています」

 そう玉村が話すように、ピンチで考えていることは至ってシンプル。一軍の打者が相手でも内角をしっかりと投げ切り、外角にも丁寧に制球。ストライクゾーンを幅広く使って勝負する投球で、昨日のロッテ打線にも決定打を許さなかった。

 カープOBの大野豊氏も玉村の投球をこう評価する。

「四球で崩れるイメージもないので、自分のペースの中で打者と対戦できています。やや遅れ気味で腕が出てくる投球フォームなので、打者としてもタイミングが取りづらく、球速以上のノビとキレがあるのだと思いますね。高卒2年目であれだけ安定感のある落ち着いた投球ができているのは、たいしたものです」

 後半戦の先発ローテは、大瀬良大地、九里亜蓮、森下暢仁の3本柱に、玉村と大道温貴の若手投手が加わる形となることが予想される。玉村はシーズン前半に8試合に先発し、5回を投げきれなかった試合は一度もない。チームとして勝利を積み重ねていくには、先発投手が試合をつくることが何よりも大事となるだけに、玉村にかかる期待は大きい。

「先発ローテで投げていれば、自然と数字もついてくるのではないかと思います。先発として試合をつくり、1つでも多く勝ち星を積み重ねていけるようにがんばります」

 Aクラス進出へ巻き返しを期する後半戦。高卒2年目左腕のさらなる成長が、チームを活性化させる力となるはずだ。