コミュニケーションペレス

 ペレスといえば人懐っこい笑顔。とにかく周りの人に可愛がられていました。このコミュニケーション技術に関しては歴代一位と言っても良いほど!なんと言ったら良いのでしょうか、部活のおふざけ者の後輩が突然チームに加入した感じとでも言いますか。特にペレスをかわいがっていたのは野村謙二郎さん。以前、謙二郎さんから話を聞いたのですが「とにかくペレスはかわいがったよ(笑)。今でも携帯電話に番号が入っていて、ふとしたときにかけるんだよ」とおっしゃっていました。どんなときにペレスに電話をかけたくなるのか非常に気になりますが、謙二郎さんとペレスがじゃれ合うシーンはYouTubeで見ることができるので、興味のある方はぜひ検索を。

 それだけではありません。特にペレスが脅威に感じていたのが町田公二郎さん。当時カープで一番とも言われた筋肉に、ペレスは何度もかわいがられたようです。さらに浅井樹さんには「(毛深い某先輩に)毛蟹っていうと喜ぶよ!」とそそのかされ、そのまま伝えた結果、その先輩から大いにかわいがられたという話も当時の番記者の方から聞きました。極め付けはファン感謝デーでのペレスの活躍です。選手をバトンに見立てて、騎馬の要領で運んでいくリレーがあったのですが、なぜか佐々岡さんとペレスがバトンの役回りだった記憶があります。バトン役をした助っ人は後にも先にもペレスだけでしょう。

 そんなところも含めて、すべての選手から愛されたペレスでしたが、1999年に突如としてカープを退団してしまいました。

メジャーペレスからの地元ペレス

 ニューヨーク・メッツに入団し、1年目から試合に出場。第二の野球人生を好スタートさせたペレスは、メッツでキャリアハイの2割9分5厘という数字を残し、その後いくつかのチームを渡り歩き、故郷へと帰りました。ドミニカに戻ってからも40歳近くまでプレーしたペレス。そんなペレスにドミニカで会うことができました。

 現在はドミニカンリーグで人気のリセイ・タイガースのヘッドコーチをしているペレスさん。とにかく元気いっぱい! 少しふっくらしているとはいえ立派な体格。カープユニを着ている僕を見ると「カープ! ナツカシイ!」とすぐに日本語で話しかけてくれました。緒方さんや野村さんによろしく伝えてくれと言われたので、「マチダさんには?」と聞くと、なぜか爆笑していました。これからもお元気で頑張ってほしいものです。

 ティモニエル・ペレス。カープNo. 1コミュニケーション助っ人は、今も日本の裏側で、毎日野球を楽しんでいるのでした。

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ザ・ギース 尾関高文(おぜきたかふみ)
広島県東広島市西条町出身のお笑い芸人、熱狂的なカープファン。好きな歴代カープ選手はロビンソン・チェコ投手。 2012年に出演したアメトーーク「広島カープ芸人」で、「カープ OB の北別府さんはブログのコメントに全て返信する」と語り、北別府氏のブログを炎上させた経験を持つ。

[尾関高文公式Twitter] @geeseojeck