二軍でチーム最多打点を記録している正隨優弥選手。

 東京五輪開催によって一軍の試合は長い中断期間に入っているが、ファームは例年と変わらず、今も試合を行っている。由宇で汗を流す選手たちの中から後半戦、さらには将来的にチームの「軸」となる選手は現れるのか。8月4日時点の成績を見ながら、今季「ファームで結果を残している選手」にスポットを当ててみよう。

【打者編】

■打率
正隨優弥 .277(195打数54安打)
木下元秀 .255(212打数54安打)
韮澤雄也 .253(186打数47安打)

 ファームの規定打席(試合数×2.7)に達しているのは3人。正隨、木下、韮澤ともに昨季と比較して確実性がグンとアップ。特に韮澤は花咲徳栄高校時代、夏の甲子園に3年連続出場。U18W杯にも出場するなど、「エリートコース」を歩んできた期待の20歳。巧みなバットコントロール、華麗な守備ともにスター性も十分。将来は一軍でリードオフマンを務める姿も想像できる。

■本塁打
メヒア    8本
林晃汰    6本
正隨優弥 6本
クロン    6本

 チーム最多本塁打はメヒアだが、そもそもファームにいるべき選手ではない。長打力は相変わらずも打率.220はやはり物足りない。長打力不足に悩む一軍の救世主になって欲しいところだが……。チーム2位タイの6本塁打を放っている正隨は、180cm、98kgの恵まれた体躯を持つ右の長距離砲。昨季はプロ2年目で一軍初本塁打を放つなど、順当に成長中の未来のクリーンアップ候補だ。同じくファームで6発を放ち、今や一軍スタメンに定着した林に追いつきたいところ。

■打点
正隨優弥  26打点
メヒア     22打点
木下元秀  20打点

 育成選手ながら高卒1年目の昨季は二軍で7本塁打を記録。この数字は堂林翔太、林と並ぶ球団高卒新人記録。2年目の今季もしっかりと出場機会を掴み、持ち味のパワーを発揮中だ。チーム事情次第では今季中の支配下登録も考えられる。昨オフには高校の先輩でもある吉田正尚(オリックス)に弟子入り。長打力だけでなく確実性との両立を目指す。

■盗塁
羽月隆太郎  16盗塁
矢野雅哉     7盗塁
小園海斗     4盗塁

 ウエスタン・リーグ2位の16盗塁を記録する羽月が、持ち前のスピードをいかんなく発揮。今季は一軍出場機会を掴み、レギュラー奪取にあと一歩まで迫っている。チーム2位の7盗塁を記録するルーキー・矢野はガッツあふれるプレーで1年目から人気も上々。課題は打撃の確実性だが、チーム2位の24四球を選び、打率.221に対して出塁率は.333。塁に出てしまえば高い身体能力を武器にダイヤモンドを駆け巡る。一軍に定着して、小園に挑戦状をたたきつけたいところだ。