オールスター&東京五輪による中断期間も空け、ついにペナントレースが再開した。逆転での優勝&CS進出へ、後半戦、さらには将来的にチームの「軸」になりうる選手を今季の「ファーム成績」から導き出す。今回は「投手編」をお届けする。(ファーム成績は8月12日終了時点のもの)

ファームでチームトップの5勝をあげている中村祐太投手。

【投手編】

■投球回数
矢崎拓也    65回
中村祐太    62回1/3
薮田和樹    55回2/3

 今季、一軍での登板わずか1試合の矢崎が、ファームではチームトップ、ウエスタン・リーグ2位の65回を投げている。2017年、プロデビュー戦で9回途中まで無安打投球と“衝撃デビュー”を飾りながら、その後はなかなか結果を残せていないが、ファームでは昨季から引き続き、好調をキープ。順調にいけば、後半戦は一軍先発のチャンスを与えられるかもしれない。中村は開幕ローテ入りも2試合連続で打ち込まれるなど、今季一軍では先発3試合で0勝3敗。しかし、ファームでの5勝はチームトップ。焦らず、チャンスを待ってほしい。

■登板数
一岡竜司    31試合
今村猛    28試合
中﨑翔太    24試合

 ファームの登板数トップ3は、そのまま「一軍登板数トップ3」と言われても違和感がない面々。一岡、今村、中﨑ともに過去、一軍で抜群の実績を誇るだけに、3投手そろってファームが主戦場となっている今季は寂しい限り。まだまだ老け込む年齢でもなく、しっかりと調整して早く一軍に戻ってきてほしい。後半戦の勝負所では、彼らの実績と経験が必要な場面が必ず訪れるはずだ。

■防御率
矢崎拓也    3.18
※中村祐太    2.45
※野村祐輔    2.91
※は規定投球回未到達

 チーム内に規定投球回到達者は矢崎のみ。中村は防御率2.45とファームでは抜群の安定感。一軍防御率は11.08だが、ファームでの安定感を上の舞台でも発揮したいところ。一軍で今季7試合に先発しながら未勝利の野村は、ファームでは「さすが」の一言。プロ入り後は1年目からコンスタントに一軍で結果を残してきた実力者だけに、由宇ではなくマツダのマウンドで先発する姿を拝みたい。

■奪三振
矢崎拓也    53奪三振
遠藤淳志    44奪三振
中村祐太    43奪三振

 矢崎、中村は投球回も多いため納得の数字だが、特筆すべきは遠藤の44奪三振。投球回数は35回1/3なので、9イニングあたりの奪三振率は実に11.2。ファームとはいえ、なかなかのハイペースだ。昨季は先発ローテ入りを果たすも、今季は開幕から不調で4月下旬からファーム暮らしが続く。また、奪三振率は高いが防御率5.35という数字はやはり物足りない。とはいえ、まだ高卒4年目の22歳。ファームでじっくりと爪をとぎ、シーズン終盤にチームの「救世主」になるような投球を期待したい。