プロ3年目の昨季、9月下旬に支配下登録を勝ち取ると、10月に一軍初登板を果たした藤井黎來。背番号が3桁から2桁となり、初めて迎えた今季。4月上旬に一軍昇格すると4試合連続無失点。持ち味のフォークを武器に、毎試合、三振を奪うなど存在感をみせた。しかし、4月28日のDeNA戦で8失点。翌日一軍登録を抹消されると、以降は二軍で調整を重ねている。後半戦に向けてリリーフ陣の充実は一軍の課題となっているだけに藤井にもチャンスはある。現状の課題について話を聞いた。

一軍ブルペン入りを目指して鍛錬を続ける藤井黎來投手。

◆8失点の悔しさを糧に制球力に磨きをかける

─4月28日のDeNA戦。リリーフで登板すると打者15人に9安打を打たれて8失点。この結果をどう捉えていますか?

「どれだけ強い球を投げても制球が甘かったら確実に仕留められるということを改めて学びました」

─その日は雨が強く、難しいコンディションでの登板でした。

「雨は降っていましたが、投げづらさはなく自分も気にはしていませんでした。単純に制球が甘かったので打たれたと思っています」

─一番課題を持って取り組んでいるのは制球力の向上ですか?

「そうですね。二軍に降格してからは、ストライクゾーンを9分割ではなく3分割(外・中・内)で意識し制球を磨いています」

─藤井投手の持ち味であるフォークを活かすためにも制球は大切になってきます。

「制球もですし、フォークで空振りをとるために小さい変化のスプリットの質も高めています。そこにストレートを組み合わせるのが今の自分の投球スタイルですね」

─他に練習している変化球はありますか?

「カーブやカットボールを練習していますが、まだ試合で使えるレベルには達していないですね」

─一軍昇格に向けアピールしていきたいことを教えてください。

「ストレートの強さと落差のあるフォークは、二軍での結果と共にアピールしていきたい部分です」

─今年でプロ4年目。由宇で鍛錬を重ねる時間は、藤井投手にとってどんな時間ですか?

「ここでの時間が自分を強くしてくれると思うので、必死に練習と向き合っています。由宇での練習に、観客スペースの外周をランニングするメニューがあるのですが、全体練習終了後にあったりするのでとにかくきついんです。このしんどさを体感すると一軍でもやれるという気持ちになります」

◆プロフィール
藤井黎來 58
■ふじい・れいら ■1999年9月17日生(22歳) ■182cm/93kg
■右投右打/投手 ■秋田県出身 ■大曲工高-広島(2017年育成ドラフト2位)
落差のあるフォークが持ち味のリリーバー。育成選手だった昨年、二軍で結果を残して支配下登録。10月8日の阪神戦で一軍デビューを飾った。