昨季の活躍があるからこそ、もどかしいシーズンを送っている。昨季はシーズンを通して一軍の先発ローテを守り、初完投を含む5勝をあげた遠藤淳志。しかし今季は開幕ローテに入れず、4月に2試合に先発するも、いずれも序盤で降板。以降は二軍で調整を続けている。球速以上の速さと力強さを感じるキレのあるストレートが遠藤の魅力。二軍ではリリーフでの登板も経験するなど、本来の調子を取り戻すため、さまざまな挑戦を続けている。殻を破り一軍昇格を目指す右腕に現状を聞いた。

先発ローテに定着した昨年のような活躍が期待される遠藤淳志投手。

◆やらない後悔はしない。悔しさを糧に成長誓う

─二軍の登板で心がけていることを教えてください。

「ストライクを取りにいくのではなく、自信のある球を思い切って投げて打者と勝負していくことを試合では心がけています。状態が悪いときは、ストライクが欲しくて腕の振りが小さくなるので、力を出し切って勝負しようと思っていますし、打たれて後悔するのであればチャレンジして後悔しようという気持ちで挑んでいます。自分のベストを出さないと反省もできませんから。やらない後悔だけは絶対にしないと決めています」

─最近の試合で手応えを感じた登板はありますか?

「7月下旬のソフトバンク戦は、その意識でマウンドに上がった結果、しっかり腕を振れましたし、球にも力が伝わっていると感じたので、球自体は良くなっているのかなと思います」

─リリーフでの登板も増えています。得たものはありますか?

「短いイニングは力勝負の連続なので、そういった対戦のなかで、先発投手として投げる際の力配分を改めて学んでいます」

─どういった部分を首脳陣にアピールしていきたいですか?

「自分の一番の武器は質の良いストレートだと思っています。それを磨いていきながら、しっかりとゾーンの中で勝負できるメンタルと技術を鍛えることも意識しています。後半戦、巻き返せるように良い準備を続けたいと思います」

─由宇での時間は遠藤投手の持ち味を見つめ直す良い機会になっているのではないですか?

「由宇はプロ1年目にゼロに抑える難しさを教えてもらった場所です。投げれば必ず点を奪われていて、どうやったら無失点に抑えられるのだろうと常に考えていました。今もいろいろ模索していますが、必ず良い結果が出ると信じて取り組んでいきたいと思います」

◆プロフィール
遠藤淳志 66
■えんどう・あつし ■1999年4月8日生(22歳)■186cm/85kg
■右投右打/投手 ■茨城県出身 ■霞ケ浦高-広島(2017年ドラフト5位)
一昨年はリリーフとして、昨年は先発として一軍に欠かせない投手へと成長した。昨年は先発ローテを守り2完投。長身から投げ下ろす直球が武器。