昨年まで広島東洋カープに在籍し、今年6月から独立リーグ・九州アジアリーグの「火の国サラマンダーズ」(熊本)でプレーしていた小窪哲也の千葉ロッテマリーンズへの移籍が決まった。

 補強期限最終日となる8月31日に念願のNPB復帰を果たした小窪。今回のロッテ加入について、「火の国サラマンダーズ」で球団代表を務める神田康範氏(代表取締役社長)に話を聞いた。

神田康範氏(左)と小窪哲也選手(火の国サラマンダーズ提供)

◆影響を受けた、夢を諦めることなくひたむきに努力する姿

ー今回の小窪選手のNPB復帰、球団代表としてどんな思いを抱いておられますか?

「6月の加入以降、チームの成長に大きく貢献してくれました。小窪選手は、NPB復帰を目指して鍛錬を続けていましたが、おそらく数多くの方がNPB復帰は難しいのではないかと思われていたと思います。ただ、そんな中でも懸命に努力していましたし、私自身も、8月31日が来るまでは可能性を信じて頑張るんだという姿を見ていたので、今回、NPB復帰が決まった時は本当にうれしかったですね」

ー空港にも見送りに行かれたと聞きました。

「見送る時は寂しさがこみ上げてきました。小窪選手には『最後まで諦めない姿に感動しました。これからは一人のファンとして応援しています』と伝えました」

ー小窪選手が熊本で過ごした時間は約3ヶ月ですが、小窪哲也という一人の人間から、神田さん自身はどんな影響を受けられましたか?

「カープで選手会長を務めていましたし、キャプテンシーのある選手だと聞いていたので、小窪選手と会うまでは、チームの先頭に立ち、ガンガン引っ張っていくタイプの選手だと思っていました。ただ、実際に会ってみると、自分の努力する姿で、背中で引っ張っていく人間なんだと気付かされました。夢を諦めることなくひたむきに努力する姿は、私だけではなく、チームの選手全員が影響を受けたのではないかと思います」

ー小窪選手加入をきっかけに、火の国サラマンダーズの名前も広く知れ渡ったのではないかと思います。今回の小窪選手との出会いを通して、今後、球団としてどう活動していこうと考えておられますか?

「おかげさまで広島を中心に認知度が増し、火の国サラマンダーズのことをたくさんの方に知っていただけました。私自身も、自己紹介をする際に、まず火の国サラマンダーズのことを話すことが多くなりました。球団としては引き続き、熊本のみなさん、ファンのみなさんに喜んでもらえる、親しみを持ってもらえるような取り組みを続けていきたいと思っています。そういった活動を地道に続けていくことで、火の国サラマンダーズというチームを、幅広い方々に知ってもらえたらと思っています」

〈小窪哲也選手プロフィール〉
ポジション:内野手
身長:175
体重:83
生年月日:1985年4月12日
年齢:36
出身地:奈良県
投打:右右
経歴:PL学園高ー青山学院大ー広島東洋カープー九州アジアリーグ・火の国サラマンダーズー千葉ロッテマリーンズ